嘴平伊之助に不死川玄弥、産屋敷耀哉も…『鬼滅の刃』あまりにさらっと説明されたけど実は規格外!「隠れたチートキャラ」の画像
DVD『鬼滅の刃』第6巻(アニプレックス)©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 現在、映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が大ヒット公開中の吾峠呼世晴氏の『鬼滅の刃』。

 本作は、主人公・竈門炭治郎が鬼となってしまった妹の禰󠄀豆子を人間に戻すため、鬼を狩る組織「鬼殺隊」に入隊し、宿敵・鬼舞辻無惨に立ち向かっていくというダークファンタジー作品である。

 『鬼滅の刃』に登場する鬼はもともと強く、人間とは違って肉体がすぐに再生する上、それぞれが「血鬼術」と呼ばれる特殊能力を持っている。戦いの舞台となるのは鬼の活動時間である夜間であり、肉体が再生しない人間サイドの鬼殺隊は、常に苦戦を強いられている。

 多くの漫画作品では、敵味方問わず修行を積み重ねることや特殊な能力に目覚めることでパワーインフレが起こりがちだが、『鬼滅の刃』では炭治郎をはじめとする鬼殺隊の面々は、地道な鍛錬のみで実力を積み重ね、自身の技を強化していくイメージだ。

 突如として規格外の力に目覚めるという少年漫画にありがちな設定が少ないからこそ、読者は『鬼滅の刃』のキャラに感情移入し、時にはもどかしさや悔しさを感じながらも、彼らを心から応援できるという側面があるのかもしれない。

 しかし、そんな『鬼滅の刃』にも特例は存在する。作中ではさらっと説明されているだけだが、鬼殺隊の中には、実は鬼もびっくりなチート級の能力を持つ者もいる。今回は、そうした隠れたチートキャラに着目したい。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■内臓の位置を変える!? 野生児・嘴平伊之助のチート技

 まずは、炭治郎と同時期に最終選別を受けた同期である、猪頭の被り物が特徴的な野生児・嘴平伊之助だ。炭治郎が類まれな嗅覚、我妻善逸が優れた聴覚を持つように、伊之助は鋭い触覚を持っている。

 那田蜘蛛山編や無限列車編での戦いでは、肌の感覚で敵の位置を特定したりと、その鋭い感覚は幾度となく戦闘で役立ってきた。

 ここまではまだわかる。しかし、伊之助が我々の度肝を抜いたのが遊郭編で上弦の陸・堕姫と妓夫太郎との戦いの時だ。

 戦闘中、落とした堕姫の首を持って走る伊之助の背後から、突如、妓夫太郎の毒の刃が伊之助の心臓を貫いた。被り物の隙間から血を流す伊之助。誰もが無限列車編での煉獄杏寿郎の死を思い出し、味方でも死ぬという『鬼滅の刃』の世界の残酷さをあらためて感じ、「伊之助も死んでしまうのか」と覚悟しただろう。

 ところが伊之助は、ダメージを負いながらも戦線に復帰する。そして「俺の体の柔らかさを見くびんじゃねえ 内臓の位置をズラすなんてお茶の子さいさいだぜ!!」と言い、“内臓の位置を一時的にずらすことができる”という、自身の特技を明かしたのだ。

 臓器を動かして致命傷を避けたというとんでもないチートさに、はたして人間にこんな芸当が可能なのか? 野生児という言葉で片付けていいのか?と、疑問を抱いたものだ。スピード感のある戦闘中だったため、当時はさらりと受け入れてしまったが、冷静に考えたら鬼もびっくりな芸当である。

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