
今年8月、テレビアニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編Season3』の製作決定が正式に発表された。物語の舞台は鳥取砂丘特設リング。キン肉マンやバッファローマンら正義・悪魔連合軍と、ネメシスら完璧・無量大数軍との熾烈な戦いが描かれる予定だ。この発表は長年のファンのみならず、若年層にも大きな話題を呼び、1979年の連載開始以来、時代を超えて愛され続ける『キン肉マン』シリーズの健在ぶりを示した。
『キン肉マン』の特徴のひとつが「タッグマッチ」だ。これは2対2で戦う形式で、長年連携してきたコンビだけでなく、即席の組み合わせも多い。タッグで繰り出される必殺技には単独技では表現できない破壊力や戦略性が盛り込まれ、「技の掛け算」に読者の興奮は止まらなかった。
今回は数あるタッグ戦で描かれた「合体技」の中から、特に読者に強烈な印象を与えたものを振り返っていこう。
※本記事には作品の内容を含みます
■シンプルながら高威力な「ロングホーン・トレイン」
まずは、モンゴルマンとバッファローマンによる「ロングホーン・トレイン」。「夢の超人タッグ編」に出場した「2000万パワーズ」のタッグ必殺技で、モンゴルマンがバッファローマンを背中合わせにして担ぎ、そのまま突進するというシンプルなフォーメーションである。
バッファローマンのロングホーンは相手を一撃でリング外まで吹き飛ばす威力を誇るが、単独では前傾姿勢ゆえ目標が定まりにくく、状況によってはかわされかねない。しかし、担いでいる側が軌道修正できるようになったことでその弱点を克服。この技は後に、バッファローマンとスプリングマンのタッグでも披露されている。
また、「夢の超人タッグ編」では、元・悪魔超人ブラックホールと正義超人ペンタゴンの「四次元殺法コンビ」も大きな爪痕を残した。
後に従兄弟だと判明する2人によるツープラント攻撃は、実に多彩。中でも「四次元交差」は、ペンタゴンが対戦相手をブラックホールの顔面に放り込んで四次元空間へ送り込むというチート技。相手をそのまま異次元経由で別の空間に出現させ、リングに叩きつけるといった応用も可能だ。
凶悪さでいえば、悪魔超人の代表格アシュラマンとサンシャインの「はぐれ悪魔超人コンビ」による「地獄のコンビネーション」シリーズも忘れてはならない。
相手の頭部に同時にドロップキックする「スカル・キャスタネッツ」や、サンシャインの「呪いのローラー」に入ったアシュラマンが相手目掛けて人間大砲のように飛んでいく「阿修羅火玉弾」など、その技は多岐にわたる。
とりわけインパクト大だったのが、PART FINALの「竜巻砂塵地獄」である。アシュラマンの竜巻地獄に砂化したサンシャインを乗せ、竜巻に閉じ込めた相手を砂嵐でズタズタに切り裂くという、悪魔超人らしい殺人技だった。
一方、いわゆる「かませ犬」のポジションが定着してしまっていたブロッケンJr.の汚名返上の場となったのが、「オメガ・ケンタウリの六鎗客編」である。
キン肉マンソルジャーとの「フルメタルジャケッツ」で繰り出した「ナパームコンビネゾン」は、ソルジャーが敵に「ナパーム・ストレッチ」をかけ、そこにブロッケンが下から前後逆に組み付いてから、2人で激しい回転を与えるという技である。
その回転は受け手が方向感覚を失って抵抗力をなくし、さらに外部からのカットさえ弾いてしまうほど凄まじい。マリキータマンを倒すと同時に力尽きたブロッケンJr.だが、しっかり仕事をやり遂げてみせた。