『鬼滅の刃』意外と知らない「継子システムの全貌」なぜ継子を持つ柱は少ない? なるための条件とは?の画像
DVD『鬼滅の刃 10』(アニプレックス) (c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 吾峠呼世晴氏の漫画を原作とした大ヒット公開中のアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』。日々、興行収入の記録を塗り替え、日本中で話題となっている作品だ。「無限城編」では、鬼殺隊の隊士たちがみな、宿敵・鬼舞辻無惨の根城である無限城に落とされ、上弦の鬼を含む強敵たちとの最終決戦が描かれる。

 さて、改めてにはなるが、『鬼滅の刃』に登場する鬼を討伐する政府非公認の組織「鬼殺隊」は、産屋敷家のお館様をトップに、実力が最上位の柱、その下には階級別に隊士がおり、ピラミッド式の階級組織となっている。現在の構成人員は数百名を超えているとされている。

 柱の中には「継子(つぐこ)」を持っているものもいる。これは血縁関係のない子どもを意味する継子(ままこ)の意味ではなく、柱から才能を認められ、直々に育てられる特別な隊士のことをいう。

 それぞれの柱が持てる継子の数に決まりはなく、逆に継子がいなくてもよい。少年漫画によく見られる師匠と弟子のようでワクワクする設定だが、意外にも作中ではっきりと継子として描かれたキャラクターは少ない。そのため、継子がどのような存在なのか、イマイチ知らないという人もいるだろう。

 今回は、作中でもレアな存在の継子についておさらいしておこう。

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■継子になるための条件とは…作中で描かれた事例

 まず、どうすれば継子になれるのか。

 コミックスの幕間での作者の解説によると、「隊士側から申請し、柱が承認する」または「柱から直接スカウトされる」という2つの方法があるようだ。

 作中で唯一、現役の柱の継子として登場したのが、主人公・竈門炭治郎の同期である栗花落カナヲである。彼女は蟲柱・胡蝶しのぶの継子であり、しのぶの実姉・カナエの流派である「花の呼吸」の使い手である。この花の呼吸は、しのぶの「蟲の呼吸」の源流となった流派である。

 元々しのぶはカナヲを継子にするつもりはなかったが、蝶屋敷での家事や治療の手伝いが不得手であったカナヲは独学で花の呼吸を会得し、勝手に最終選別を受けて合格。その才能と覚悟を認め、しのぶは仕方なく継子として受け入れたという経緯がある。そのため、カナヲは今もしのぶを「師匠」と呼んでいる。

 また、現・恋柱の甘露寺蜜璃も、かつては継子だったことが明かされている。外伝『鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 外伝』で明かされているが、彼女は炎柱・煉獄杏寿郎が柱になる前からの弟子であった。

 甘露寺は炎の呼吸の適正があったものの、独自の「恋の呼吸」を生み出した。彼女は公私共に煉獄にお世話になっていたようで、アニメ「柱稽古編」第8話の「大正コソコソ噂話」では大きな釜いっぱいに炊いたさつまいもご飯を2人で食べたという微笑ましいエピソードも語られている。

 ちなみに「無限列車編」の冒頭で、炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助の3人は煉獄から「俺の継子になるといい 面倒を見てやろう」と誘いを受けていた。よって、彼があの戦いを生き抜いていれば、そのまま炭治郎らは煉獄の継子になっていた可能性もあった。

 カナヲや甘露寺の例からもわかるように、柱と継子は必ずしも同じ流派ではなくてもいい。

 では、もし炭治郎が煉獄の継子になっていたら、どうなっていただろうか。流派こそ違うものの、強さだけでなく煉獄の人間性からも学べるものは多そうだ。「柱稽古編」でどんな柱の特訓もさらりとクリアした炭治郎は、立派な師が近くにいることでメキメキと成長を遂げたに違いない。

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