「ニチアサ」は今も欠かさずチェック、劇作家・中島かずきが大絶賛した『令和仮面ライダー』作品の画像
中島かずき 撮影/イシワタフミアキ

 旗揚げから45周年を迎える劇団☆新感線が、2025年9月より劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演 チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』を上演する。本公演の脚本を担当する座付き作家の中島かずき氏は、1985年から40年間、新感線とともに走り続けてきた。

 劇団☆新感線の作品にはさまざまなエンターテインメントへのオマージュ、パロディ、エッセンスが含まれている。その多彩なアイデアは、中島かずき氏の巨大なエンターテインメントの博覧強記の知識から生まれて出ている。

 圧倒的な読書量と徹底的な映画鑑賞数を重ねる中島かずき氏が、最近楽しんでいるエンターテインメントとは? 最近好きな特撮ヒーロー作品、映画、小説について聞いてみた。

 

――中島さんが最近ご覧になっているエンタメはどんなものがありますか?

中島かずき(以下、中島):コロナ禍前は年間100本ぐらい映画を見ていたんです。でも、コロナで外に出る習慣が減って、なかなか映画を観に行かなくなりましたね。最近は1年で30本ぐらいかな。本は年に100冊ぐらい読んでいます。

――中島さんはたびたび、ご自宅の仕事場に本の柱(購入した本を積み上げたもの)がそびえ立っているというお話をされていますね。

中島:本の柱は成長を続けてますね。毎年100冊以上が増えるわけですから、家の部屋を本の柱が埋め尽くしています。

――最近はどんな作品をご覧になりましたか? たとえば映画や書籍を見るときは、作品のための資料という意識が強いのでしょうか。

中島:映画は作品を描くための資料として観ることもありますね。このジャンルのこういう作品は見ておくか、という感じで見るものもあります。本も同じで、資料として読む作品も多いです。

――中島さんがお好きな映画のジャンルは?

中島:好きで見るものは、やっぱり基本的にアクションものですね。SFかアクション。あとは古い日本映画も好きです。50年代から60年代はドライな映画が多いので、中平康、増村保造、川島雄三、岡本喜八、あのあたりはすごく好きでした。

――今回のインタビューでは中島さんがお書きになった『仮面ライダーフォーゼ』のお話も出ましたが(前回参照)、そちらに出演されていた吉沢亮さんと横浜流星さんが、現在映画『国宝』で話題を集めています。映画『国宝』はご覧になりましたか。

中島:『国宝』は映画を見て、そのあとに原作を読んだんです。映画のふたり(吉沢亮、横浜流星)のお芝居はすばらしかったんだけど、特に後半のストーリーテリングで気になるところがあって。原作を読んだら気になるところは全部違っていてすごく納得がいった。原作は本当に素晴らしいと思いましたね。

――特撮番組は今もチェックされていますか?
中島:ニチアサ(『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』シリーズが放送されているテレビ朝日の日曜日朝の枠)は観ています。『仮面ライダーガヴ』がすごく面白かったんですよ! メインライターが『ルパパト(快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー)』の香村純子さんだから、ホンがしっかりしていて面白い。毎回、楽しく観ていましたよ。

――いろいろご覧になっていますね。小説で気になる作品はありますか?

中島:最近、ちょっと映画化に向けて小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読み直しました。やっぱり抜群に面白いですね。ここ5年くらいの間で傑作といえば翻訳小説ならば『プロジェクト・ヘイル・メアリー』、日本の小説ならば『木挽町のあだ討ち』。この2作が突出しています。映画の『プロジェクト・ヘイル・メアリー』はどうなるんでしょうね。

――映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は2026年公開予定ですね。すごく楽しみですが、まずは劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』が2025年の年末まで公演が続きます。こちらの公演を楽しんだあとに、映画の公開を待ちたいと思います。

中島:『爆烈忠臣蔵』は、たくさんのお客さんに観ていただきたいですね。新橋演舞場で年末に「忠臣蔵」をやれるということが感慨深いです。きっと年末を迎えるにふさわしい陽気な舞台になると思うので、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいです。

中島かずき 撮影/イシワタフミアキ

【プロフィール】
中島かずき
1985年、『炎のハイパーステップ』より座付き作家として劇団☆新感線に参加。『髑髏城の七人』『阿修羅城の瞳』など、歴史や神話をモチーフに物語性を重視した作品を多数手がける。2003年には、『アテルイ』で第47回岸田國士戯曲賞を受賞。また、演劇以外にも映像作品の脚本、コミック原作も執筆し、アニメ『天元突破 グレンラガン』『キルラキル』、特撮『仮面ライダーフォーゼ』、劇場アニメ『プロメア』など、ポップカルチャーの分野でも多くの話題作を生み出している。

爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK

<作品紹介>
2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演
チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎 『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』

【作】中島かずき 【演出】いのうえひでのり
【出演】古田新太 橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと 羽野晶紀 橋本さとし/
小池栄子/早乙女太一/向井理 ほか

【松本公演】2025年9月19日(金)~23日(火祝) まつもと市民芸術館
【大阪公演】2025年10月9日(木)~23日(木) フェスティバルホール
【東京公演】2025年11月9日(日)~12月26日(金) 新橋演舞場
【公式サイト】https://www.vi-shinkansen.co.jp/bakuretsu45/

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