早すぎる死が悔やまれる…錆兎、胡蝶カナエ、時透有一郎も『鬼滅の刃』鬼殺隊最強になっていたかもしれない天才キャラの画像
『鬼滅の刃』 錆兎 1/7スケールフィギュア(ファット・カンパニー)(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 今や社会現象を巻き起こし、日本を代表する作品となった吾峠呼世晴氏の漫画『鬼滅の刃』。7月18日に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』では、宿敵・鬼舞辻無惨の根城「無限城」での最終決戦が描かれている。

 公開から52日間で興行収入は314億円、観客動員数は2200万人を突破(9月8日時点)した本作。これは、前作の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を上回るスピードであり、その勢いはとどまるところを知らない。

 鬼の始祖である無惨の討伐は、多くの鬼殺隊員、そして柱たちの悲願である。壮絶を極めるこの直接対決の前に、“すでに故人だったキャラがもしも生きていたら、戦況は大きく変わっていたのではないか”と、つい思いを巡らせてしまうのだ。

 そこで今回は、生存していたら鬼殺隊最強クラスの実力者になっていたかもしれない、ポテンシャルの高さを感じさせるキャラクターについて語っていきたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■藤襲山で多くの鬼をたった1人で倒した天才剣士「錆兎」

 主人公・竈門炭治郎が育手・鱗滝左近次のもとで修行をしていた時、挫けそうな炭治郎を厳しくも温かく励ましてくれた少年・錆兎。狐のお面をつけた謎の多い少年であったが、刀を使った鍛錬では、真剣を手にした炭治郎を木刀でいなすほどの手練れであった。

 錆兎との修行は半年間にも及んだ。ようやく錆兎が真剣を抜き、真剣同士の鍛錬で炭治郎が錆兎の面を斬ることができた時、彼は満足そうな顔をして姿を消した。このことから、錆兎はすでにこの世の者ではなかったことが判明する。

 そんな錆兎は、水柱・冨岡義勇と旧知の仲だったことが後に判明する。義勇と同じく13歳の時、鱗滝のもとで修行をしていた錆兎。家族を鬼に殺され、天涯孤独の身となった2人は、似た境遇ということもあってすぐに親友になった。

 同じ年の最終選別に臨んだ義勇と錆兎。そこでの錆兎の活躍は凄まじく、藤襲山に放たれた鬼をほとんど1人で倒してしまったとされている。しかし、他の受験者を守り、錆兎自身はその最終選別で命を落としてしまう。

 彼を殺したのは、鱗滝に恨みを持つ鬼・手鬼だった。手鬼は後に炭治郎と戦った時、錆兎について「一番強かった」と評している。また、義勇もまた錆兎について“錆兎なら痣が出たかもしれない”と、彼の強さに一目置いている。

 たった1人で最終選別に現れた鬼をほとんど倒してしまった錆兎。彼が生きていれば、間違いなく鬼殺隊の大きな戦力になっただろう。最終選別では負傷して実力を出せなかったが、後に水柱となる義勇とともに、鬼殺隊を支えてくれていたに違いない。

■心優しい「花の呼吸」の使い手…胡蝶カナエ

 蟲柱・胡蝶しのぶの姉である胡蝶カナエは、しのぶや継子である栗花落カナヲの回想シーンに登場する。しのぶの回想によると、鬼によって深手を負ったカナエは、しのぶの腕の中で息絶えている。

 心優しいカナエは、人間の敵である鬼に対しても同情し、死の間際でも鬼を哀れむ慈愛に満ちた女性だった。ちなみに、しのぶが身にまとっている蝶の羽織は、彼女の形見でもある。

 孤児だったカナヲをしのぶとともに引き取り、心を閉ざし、感情を失くしていたカナヲに銅貨を渡し、行動するきっかけを与えたのも彼女だった。

 そんなカナエは、『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』によれば、花の呼吸の使い手であったとされる。

 刀はしのぶのような特殊な形状の刀ではなく、ピンク色で一般的な形の刀身をした日輪刀を手入れしている様子も見られた。とはいえ、水の呼吸から派生した花の呼吸からさらに派生したものが蟲の呼吸であるため、呼吸の流派からも姉妹の繋がりが見て取れる。

 すでに故人だったカナエだが、もし生きていたらしのぶと2人で蝶屋敷を切り盛りし、鬼殺隊の大きな要となっていただろう。炭治郎のように鬼に同情していた彼女は、きっと炭治郎の良き理解者となっていたに違いない。

 作中、カナエの戦闘シーンは描かれていないため、戦闘力は未知数だが、しのぶが姉を慕っている様子からも、その強さはしのぶと同等か、あるいはそれ以上の実力があった可能性が考えられる。

 もしかしたら、鬼と人間の架け橋になったかもしれないカナエ。いずれにせよ、鬼殺隊にとって惜しい人物を亡くしていたことに変わりはない。

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