■共闘や合同稽古で描かれる柱同士の信頼、そして、絆

 アニオリシーンが特に多かった柱稽古編においても、柱たちの関係性が垣間見えた。

 第1話では、柱の中でもこれまで素性が語られたことはなく、ミステリアスな蛇柱・伊黒小芭内と風柱・不死川実弥が共闘し、鬼を討伐している。一瞬だけ無限城に入り込む場面もあり、原作ファンにとっては驚きのアニオリシーンだったことだろう。

​​『鬼滅の刃』公式ファンブックでは、互いの印象を「気が合う」と語っているこの2人は、第4話でも、霞柱・時透無一郎を交えて夜間に柱同士で合同稽古をしていた。その後は、それぞれの柱稽古の様子を報告し合うなど、柱らしく誠実に仕事に取り組む様子も見せている。

 仕事面では信頼し合っている柱たちの、プライベートな関係も気になるところだ。特に伊黒と甘露寺は文通をしている仲であるが、伊黒から甘露寺に向けられる強い想いが描かれたのが、同じく柱稽古編第5話でのこと。

 伊黒は、柱稽古に来た炭治郎に対し、甘露寺からの手紙で彼女が炭治郎とティータイムを楽しく過ごしたことを知り、嫉妬心を露わにしていた。甘露寺からの新しい手紙が届くと、手にしていた木刀を落とし、瞬間移動さながらの速さで手紙を取りに行くなど、彼の気持ちはかなり真剣らしい。

 

 同じ役職につく仕事仲間といえども、柱たちの間にはこうした人間らしいやりとりもしばしばあるようで、ついほっこりしてしまう。

 彼らを繋いでいるのは「鬼を討伐する」という共通の目的だが、その過酷な使命の中で、彼らの心が少しでも平穏になるような絆や楽しい思い出があることを願ってやまない。

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