美しくも恐ろしい! 『崖の上のポニョ』半魚人化したポニョに『もののけ姫』倒れゆくディダラボッチ…スタジオジブリ作品の「トラウマ級恐怖シーン」の画像
『もののけ姫』© 1997 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, ND

 8月15日から3週連続でスタジオジブリ作品の放送が予定されている『金曜ロードショー』。『火垂るの墓』に始まり、『崖の上のポニョ』、『もののけ姫』といった不朽の名作が続く。

 ジブリ作品には可愛らしいキャラクターが多く、関連グッズも多く展開されるなど、世界中で愛されている。しかしその一方、大人でもゾッとしてしまうような恐ろしいシーンが登場することも少なくない。

 そこで今回は、数あるジブリ作品のなかから、特に印象的な「怖すぎるシーン」を厳選してご紹介しよう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■カエルみたいな顔に鳥の足!?『崖の上のポニョ』半魚人化したポニョ

 大橋のぞみさんと音楽ユニット・藤岡藤巻が歌う、耳馴染みのいいポップな主題歌と、可愛らしい作画で広く親しまれている『崖の上のポニョ』(2008年公開)。

 本作は、元人間の魔法使い・フジモトと、海なる母・グランマンマーレとの間に生まれた“さかなの子”ポニョ(本名:ブリュンヒルデ)が、5歳の少年・宗介と出会ったことで始まる不思議な物語だ。

 母親譲りの強力な魔力を持つポニョは、「生命の水」の力で人間の女の子の姿となり、宗介のもとへやってくる。これはまるで有名な童話『人魚姫』のような展開で、ロマンチックな物語が、多くのファンに愛されている所以だろう。

 本作では、終始愛らしいポニョと宗介の心温まる触れ合いに癒される場面が多いが、一方で“怖すぎるシーン”も意外と多い。

 たとえば、ウネウネと生き物のように襲いかかる大きな波の様子や、巨大すぎるグランマンマーレの姿とそこかしこで底知れぬ恐怖を感じさせられる。だが、なかでも特に怖かったのがポニョが半魚人になった姿である。

 ポニョは宗介がケガをして出血した時、その血を舐めて半魚人化する力を手にした。その姿は、カエルのような顔に3本指の手足という奇妙なものだった。魔力が弱まると、可愛らしい女の子の姿から少しずつ半魚人の姿へと戻ってしまうのだ。

 ギョロギョロとした目玉と、鳥の足のような手足にショックを感じる人は少なくない。とはいえ、当の宗介は「ぼく おさかなのポニョも 半魚人のポニョも 人間のポニョもみんなすきだよ」と深すぎる愛を告白している。彼のこの言葉を前にすれば、外見について外野がとやかく言うものではないのかもしれない……。

■幻想的なBGMとのギャップに戦慄…『もののけ姫』倒れゆくデイダラボッチ

 人と自然との共生をテーマに描いた名作『もののけ姫』(1997年公開)。私利私欲のために森に住むシシ神の首を狙う浅ましい人間たちが、神聖なもののけたちを破滅へ誘っていくストーリーは、見る人の心に強い印象を刻みつける。

 本作は「生と死」をテーマにしているだけに、恐ろしいシーンが数多く登場する。タタリ神が村へ襲いかかってくる冒頭のシーンから、巨大なイノシシ神・乙事主の体が朽ちていくシーンまで、手に汗握る展開が続く。

 中でもインパクトが大きかったのが、物語のクライマックス、エボシ御前によって首をはねられたデイダラボッチ(シシ神の夜の姿)が、弾け飛びながら多くの命を奪っていくシーンだ。

 黒く半透明のドロドロの身体になったデイダラボッチは、森を覆い尽くすように倒れ込んでいく。恐ろしいのは、そのドロドロに触れると死んでしまうということ。まるで雪崩のようなスピードで人間や森、動物たちの命を奪っていくのである。

 幻想的なBGMが流れるなか、無数の命が失われる光景を目の当たりにして、背筋が凍るような恐怖を覚えるのは筆者だけではないはずだ。

 また、命を吸い取りすぎてブヨブヨに膨れ上がったデイダラボッチの姿も、異様で恐ろしかった。首を求めるあまり滑稽な姿になったディダラボッチを「のろまな死神」と評するジコ坊と、命をかけて首を返そうとするアシタカとサン。この対照的な両者の姿は、どちらにも転びやすい人間の二面性を象徴しているようでもあった。

 一歩間違えれば、誰もがジコ坊やエボシ御前のように間違った選択をしかねない。だからこそ、人間の過ちによって引き起こされたこの惨劇が恐ろしくてたまらないのだ。

 最終的にデイダラボッチは首を返され、朝陽を浴びながら消滅していく。だが、その過程で森を再生させ、負傷者の傷も癒し、アシタカの呪いも解いてくれた。

 「シシ神は死にはしないよ 生命そのものだから」というアシタカのセリフにもあるように、シシ神は消滅したのではなく、森のそこかしこに生命として宿っているのだと筆者は感じた。

 焼け野原となった森に光が差すように緑が蘇っていくのを見た甲六の、「スゲェ シシ神は花咲じじいだったんだ」という呟くシーンで、これまで張り詰めていた緊張がようやく解け、ホッと安堵し視聴者は多いことだろう。

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