『ONE PIECE』ミホークに『HUNTER×HUNTER』ヒソカも…名作バトル漫画で主人公たちに立ちふさがった「序盤の強敵」たちの画像
『ワンピース ニッポン縦断! 47クルーズCD in 徳島 海を見つめる目』(エイベックス・ピクチャーズ)©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 漫画に登場する敵キャラは、物語の進行とともに徐々に強くなっていくものだと思われがちだ。

 冒険に旅立ったばかりの主人公がいきなりラスボスと戦って勝てるわけがないし、万が一勝てたら「あれ?」と違和感を感じてしまうだろう。少しずつ強くなる敵を主人公が紙一重で倒し、成長を実感できるカタルシスこそ、バトル漫画の面白さという見方もある。

 だが、名作と呼ばれる漫画を見てみると、むしろ序盤からとんでもない強敵と遭遇し、戦う展開が少なくない。対峙した時点では力の全容すら理解できず、ストーリーが進むにつれて「振り返ってみると序盤に戦ったあいつが一番強かった」と、評価されるキャラもいるほどだ。

 今回は、その強さと登場したタイミングのギャップで読者の心に強烈なインパクトを残した「序盤の強敵」キャラを紹介していこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■七武海の一角どころか…『ONE PIECE』ジュラキュール・ミホーク

 まずは、尾田栄一郎氏の『ONE PIECE』(集英社)から、“世界最強の剣士”ジュラキュール・ミホークだ。

 主人公のモンキー・D・ルフィがまだ「東の海(イーストブルー)」で冒険していた物語序盤、第50話「己々が路」で登場したミホークは、世界一の大剣豪を目指すロロノア・ゾロの挑戦を受ける。

 それまでルフィと同等以上の力を見せていたゾロを、ミホークはおもちゃのような小さな剣で軽くいなし、最後は巨大な黒刀で一閃する。だが、ミホークはゾロを殺さず、その心意気を評価し、「このおれを超えてみよ ロロノア!!!」と発破をかける。このシーンは印象深く、ミホークは少ない出番ながら高い人気を誇るキャラとなった。

 のちにヨサクから、世界政府公認の海賊「王下七武海」の一角であることが明かされると、ルフィは「あんなのが7人もいんのかよ!!」と大興奮。読者も、ミホークがあれだけ強いなら、まだ見ぬ七武海はどれほどなのかと心が躍ったものだ。

 しかし、物語が1000話を優に超えた今、ミホークは七武海の一角どころか、その中でもずば抜けた強者だったことが判明している。王下七武海制度の廃止後の彼の懸賞金は35億9000万ベリー。これは四皇を除けば最高額で、現四皇であるルフィの懸賞金よりも高い事実からも、その実力がわかるだろう。

 かつて東の海でゾロと戦った際、「おれはうさぎを狩るのに全力を出すバカなケモノとは違う」と、語っていたミホーク。当時はゾロも憤慨していたが、いま思うとうさぎとケモノ以上の差があったはずだ。ゾロが戦って生還できたこと自体が奇跡なぐらいの「序盤の強敵」といえよう。

■ハンター試験では無双状態!『HUNTER×HUNTER』ヒソカ

 冨樫義博氏の『HUNTER×HUNTER』(集英社)のヒソカ=モロウもまた、序盤の強敵として名前が挙げられやすい。

 主人公のゴン=フリークスが臨んだ第287期ハンター試験に参加し、他の参加者を寄せ付けない戦闘力と殺人を楽しむ異常性で大暴れしたヒソカ。第1次試験では「試験官ごっこ」と称して、気に入らない受験者を皆殺しにしようとする凶行に出ており、もはや手の付けられない存在だった。

 それもそのはず、ヒソカはこの時点ですでに「念能力」を会得しており、受験者どころかプロのハンターにも比肩する実力者だったのだ。ハンター試験でヒソカはトランプを武器として使用していたが、これは念でトランプの硬度を強化していたと考えられる。

 「裏ハンター試験」とも呼ばれる念能力を熟知しているヒソカが、それを知らないハンター試験に潜り込む……それはさながら子どもの遊びに大人が入るようなものであり、無双できるのも当然だ。

 もちろん、この時点のゴンが敵う相手ではなかった。第4次試験ではゴンも工夫を凝らしてヒソカを出し抜こうとするが、最後は圧倒的な実力差で敗北を喫する。

 ヒソカが生粋の殺人鬼であり、見どころのある相手が殺しがいのある実力者として“実る”のを待つという異常な価値観を持っていなければ、おそらくゴンは殺されていただろう。その一点だけは、ヒソカの異常性に感謝しなければならない。

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