『とっても!ラッキーマン』に『ゴールデンカムイ』、『ジョジョ』にも登場…漫画やアニメで敵の嘘を見破った「予想外の方法」の画像
アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』 (c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会

 漫画やアニメ作品の魅力は、敵キャラとの直接的なバトルだけではない。ちょっとした言動から相手の嘘を見抜き、心理戦を制する頭脳戦も大きな見どころの一つである。

 登場人物たちは、巧妙に張り巡らされた罠を見破るため、あの手この手で相手の裏をかき、戦況を有利に進めていく。

 しかし、なかには敵キャラクターのみならず、読者すらも予想だにしなかった意外な理由で、思いがけず敵の仕掛けた嘘を見破るという場面も存在する。

 今回は、敵の仕掛ける嘘や偽りを見破った、少し意外な方法の数々を見ていこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■宇宙一の幸運あっての解決策…『とっても!ラッキーマン』

 日本一ついていない少年が事故によって宇宙人と合体し、宇宙一ツイてるヒーローとして大活躍する『とっても!ラッキーマン』。

 1993年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されたガモウひろし氏の大人気ギャグ漫画で、個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる珍騒動に加え、、熱いバトルやシリアスな展開が描かれるなど、多くの見どころを持つ名作だ。

 本作では主人公・ラッキーマンが持つ底抜けの幸運がいたるところで発揮されていくのだが、時にはこれが、敵の嘘を見破るため意外な形で役立つことがある。

 その肝心のシーンが描かれたのが、アニメ35話「来襲! 恐怖の殺し屋ヒットマン!!」というエピソード。

 この回では殺し屋宇宙人・ヒットマンが、ヒーロー協会会長の命を狙い暗躍する。彼はラッキーマンに完璧に変装し、仲間たちに気付かれることなく会長に近付こうと画策したのだ。

 本物のラッキーマンが駆け付けるも、見た目は瓜二つ。どちらが本物なのか見分けがつかない。

 混沌とする状況のなか、ここで仲間の一人である勝利マンが、本物を見分けるための驚くべき一手に出る。なんと彼は二人をヒーロー協会の長い階段の上に立たせ、一方を突き落としてしまうのだ。

 一見、無謀で一か八かの行動に思えるが、実はこれこそがラッキーマンが持つ凄まじい幸運を逆手に取った、勝利マンの策だったのである。

 もし、間違って本物のラッキーマンを落としても、彼は天性の幸運で必ず生き延びる。一方、ヒットマンを落としたなら、それはそれで偽物を排除することができる。

 実際、勝利マンは最後まで見分けることができず、本物のラッキーマンを突き落としているのだが、思惑通り、彼は生還したうえ、その幸運で偽物を見破っていた。

 まさしく、宇宙一の幸運を持つラッキーマンならではの破天荒な策といえるだろう。

■主人公の大暴れぶりに読者も騒然?『ゴールデンカムイ』

 アイヌが隠した莫大な金塊を巡り、北海道を舞台にさまざまな人物の思惑が入り乱れるサバイバル漫画『ゴールデンカムイ』。

 2014年より『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載された野田サトル氏の代表作で、金塊を奪い合う者たちの壮絶なバトルや、合間に差し込まれるアイヌ文化の丁寧な描写など、唯一無二の魅力を持つ大人気作品である。

 凄惨なバトル描写もさることながら、登場人物同士の騙し合いや駆け引きも見どころの本作。なかでも、主人公・杉元佐一が敵の嘘を見破った印象的なシーンと言えば、「偽アイヌ編」での一幕だろう。

 このエピソードでは杉元らはとあるアイヌの集落を訪れるのだが、なんとそこにいた人々はアイヌに成りすました脱獄囚たちだった。

 彼らの言動の不自然さにアイヌの少女・アシㇼパはいち早く勘付くも、杉元らに知られる前に脱獄囚たちに捕らえられてしまう。

 アシㇼパの姿が見えないことを不審に思った杉元に対し、偽の村人たちは“彼女は別の場所で刺繍に夢中になっている”と嘘をつき、はぐらかすのだった。

 だが、この何気ない一言をきっかけに杉元は激昂。彼はそれまで友好的に接していた村人を、間髪入れずに殴り飛ばしてしまう。

 長く旅を共にしてきた杉元は、アシㇼパは家事より狩猟に夢中で育ち、裁縫はあまり得意でないことを知っている。そんな彼女が「刺繍に夢中になる」ことなど決してないと見抜いたからこその行動であった。

 二人の深い絆を感じられる一方、スイッチを切り替え、偽の村人を容赦なく殺害していく杉元の暴れっぷりは驚異そのもの。彼らもそんな些細な一言が杉元の地雷を踏み抜き、自分たちの正体を暴く引き金になるとは、予想だにしなかったかもしれない。 

  1. 1
  2. 2
  3. 3