2026年新作アニメ『北斗の拳』ティザーPVで期待が高まる! サウザーにカイオウ、シュウも…「無敵」を誇るケンシロウが喫した「意外な敗北シーン」の画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳 究極版』第1巻(徳間書店)©武論尊・原哲夫

 1980年代に一世を風靡したバトル漫画の金字塔『北斗の拳』(原作:武論尊氏、作画:原哲夫氏)が、完全新作アニメ『北斗の拳 ーFIST OF THE NORTH STARー』として、2026年に放送・配信されることが発表された。

 公開されたティザーPVでは、原作冒頭の「人類は死滅していなかった!!」という象徴的な場面をはじめ、主人公・ケンシロウとシンやハートの激闘を予感させるようなシーンが盛り込まれており、往年のファンの期待も高まるばかりだ。

 このPVのラストでケンシロウは「もう一度言っておく 北斗神拳は無敵だ」と力強く宣言している。だが、そんな彼が、実は原作では意外なほど見事に敗北しているケースもあるのだ。

 そこで、読者を驚かせたケンシロウの敗北シーンを振り返ってみたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■秘孔を突かなければ勝てた? 油断が勝敗を決めた「サウザー戦」

 「南斗六聖拳」最強の男といえば、聖帝サウザーである。あのラオウですら直接対決を避けていたほどであり、ケンシロウにとって大きな障壁の一人であった。

 サウザーは「聖帝十字陵」の建設のため、子どもたちを奴隷のように扱って圧政を敷いていた。それを止めるべく南斗六聖拳の一人である仁星のシュウは、反帝部隊(レジスタンス)のリーダーとして戦っていた。

 シュウは、かつて少年時代のケンシロウを助けるため、自らの両目を犠牲にした恩人でもある。そんなシュウと再会し、その想いに感銘を受けたケンシロウは、単身サウザーとの対決に挑む。

 構えを取らず、踏み込みも速いサウザーの奥義「極星十字拳」をかわし、ケンシロウは秘孔の中でも破壊力が最も大きいとされる「人中極」を突き、勝利を確信する。「きさまの命は あと三秒!!」と告げるケンシロウだったが、サウザーは全く動じず、不敵にも自らカウントダウンを始める。

 三秒後、サウザーは倒れず、逆にケンシロウの胸には大きな十字の傷が付き、血しぶきが舞った。再度秘孔を突きにかかるが、それでもサウザーには通じない。結果、ケンシロウは斬り刻まれ敗北してしまうのだ。

 実は「帝王の体」と呼ばれるサウザーの体は、心臓や秘孔の位置が常人とは逆という特徴を持っていた。そのため、北斗神拳の攻撃が通用しなかったのである。

 この敗北はケンシロウの強さの源というべき「怒り」のボルテージが少なく、何より「秘孔を突けば勝てる」と油断したのが敗因だろう。もしも普通にぶん殴っていれば勝てたかもしれない……。

 結果的にこの敗北は、シュウと彼の息子・シバの悲劇的な死へと繋がってしまう。だが、この苦難を乗り越えたからこそ、ケンシロウは究極奥義「無想転生」を身に付けることとなるのだ。

■北斗琉拳の魔闘気の前に無想転生も無力化…「カイオウ戦」

 「修羅の国篇」にて、ケンシロウの前に立ちはだかったのが、北斗琉拳伝承者の羅将カイオウだ。

 カイオウが繰り出す魔闘気の奥義「暗琉天波」は無重力空間を作り、平衡感覚を失わせる。この技の前にケンシロウは太刀打ちできず、一方的に「暗琉霏破」を受けてしまった。

 切り札としてケンシロウは北斗神拳究極奥義「無想転生」を使うも、それでもカイオウの「暗琉天波」の前ではまたも自分の位置を把握できなくなって実体を見破られてしまう。その結果、カイオウの強烈な一撃を食らい、あっさりと敗れてしまった。

 筆者は当時、ラオウをも超えてしまうのではないかと思わせるカイオウの存在に驚き、兜から漏れる魔闘気のインパクトに恐怖した。瀕死のケンシロウは、赤鯱・シャチ親子によって助けられ、なんとか一命を取り留める。

 カイオウは実の妹に手をかけ、その婚約者・ヒョウを魔界に導くなど、非道の限りを尽くす存在だった。凄まじい憎悪を持つカイオウは、ラオウとは違ったラスボスとして君臨しており、その圧倒的な力を前に「ケンシロウも二度と勝てないんじゃ……」と思った読者は少なくないはずだ。

 だが、再戦の際には、北斗宗家の秘拳を手にしたケンシロウが魔闘気を攻略し、圧巻の強さを見せつける。カイオウを打ち破る展開には、心が震えたものだった。

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