エルバフ編で再注目のルイ・アーノートやデービー・ジョーンズも…どう物語に絡んでくる?『ONE PIECE』名前だけ判明している人物たちの画像
アニメ『ワンピース』エッグヘッド編キービジュアル (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 いまだ謎多き『ONE PIECE』の世界。そこには、物理学者や探検家、伝説の海賊など、名前しか登場していないにもかかわらず、読者の記憶に引っかかるような謎の人物たちが存在する。

 物語の核心に迫りつつある現在進行中の「エルバフ編」でも、再びその名前が登場したことで、読者に新たな考察の余地を与えることとなった。

 今回は『ONE PIECE』世界に名前だけ登場する謎の人物たちについて、あらためて振り返るとともに、彼らが今後の物語にどのようにかかわってくるのか、予想も交えて紹介していこうと思う。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■謎の物理学者はまさかの人物の仲間だった!?「ウイリー=ガロン」

 「空島編」の導入となる第218話では、物理学者「ウイリー=ガロン」の名前が初めて登場している。

 彼が遺したとされる「人が空想できる全ての出来事は起こりうる現実である」という格言は、ルフィたちの前に巨大なガレオン船が空から落ちてくるという突飛な状況を象徴し、読者に強烈な印象を残した。

 ウイリー=ガロンが実在したかどうかは定かではないが、この格言は1800年代に生きたフランスのSF作家、ジュール・ヴェルヌの「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」という言葉に由来していると考えられている。

 ただ、単なる引用ではなく、ウイリー=ガロンという謎の人物の格言として紹介されている点から、『ONE PIECE』の世界に実在した人物である可能性は高そうだ。このシーン以降、その素性は一切深堀りされていないが、果たしてどのような人物だったのだろうか?

 「エッグヘッド編」にて、世界一の頭脳を持つ男であるDr.ベガパンクが悪魔の実について語った際、ウイリー=ガロンの格言と類似する言葉を放っていた。「“悪魔の実”とは……!! 誰かが望んだ『人の進化』の“可能性”である!!!」「ああなれたらいいな……!! こうなれたらいいな……!! 多岐に渡る人類の未来が“能力”である!!!」と。

 ベガパンクは“人の可能性”を元にこの仮説を提唱した。そして『ONE PIECE』では、こうした可能性を体現するように、空想のままに戦うキャラクターが存在する。それが、この先の物語のカギを握るであろう存在、太陽神「ニカ」である。

 カートゥーンで描かれるような、自由でふざけた戦い方をするニカは、“ヒトヒトの実”という悪魔の実のモデルにもなり、先代の能力者とされるジョイボーイを経て、現在はルフィにその能力が宿っている。太古の昔、奴隷たちを苦悩から解放してくれる希望の象徴であったニカは、伝説となり時を越えて、くまやボニーの心を照らした。

 そして、論理に基づくいち物理学者でありながら、可能性に希望を託すような格言を残したウイリー=ガロン。彼もまた、何らかのきっかけを経てニカという存在に希望を見出した人間の一人だったのではないだろうか。

 この先の物語で謎多きニカについて深堀りされるとき、とある物理学者について触れられることがあるかもしれない。

■正体が気になる次世代への語り部「ルイ・アーノート」

 巨人族の王国・エルバフ。麦わらの一味がついにその地へと到達し、圧巻の景色に一同が言葉を失うなか、とある不穏な一文が公開された。「この地に長居してはならない」。この言葉を残したのが、探検家「ルイ・アーノート」である。

 彼の名は、物語序盤のリトルガーデンでも登場している。ナミが所持していた『Brag Men』という本には「あの住人達にとって…まるでこの島は“小さな庭”の様だ 巨人島“リトルガーデン”——この土地をそう呼ぶことにしよう」という彼の冒険譚が綴られていた。

 現状ではルイ・アーノートという人物に関する詳細は語られていない。しかし、巨人族のドリーとブロギーがリトルガーデンで100年にも渡って続けていた決闘を目撃したと考えられていることから、今でも存命の可能性がある人物である。

 前述した『Brag Men』という本のタイトルには、「うそつき達」という意味が込められていることがSBS(コミックスのおまけコーナー)にて明かされている。

 それは、“偉大なる航路(グランドライン)”を航海した冒険者たちの、嘘みたいな冒険譚を揶揄する本であるとのこと。ファンの間では、ルイ・アーノートという彼の名も、「“Liar note”(うそつきのメモ)をもじったペンネームなのではないか」と言う声もあり、本名が別にある可能性も十分考えられる。

 “偉大なる航路”序盤のリトルガーデンから、新世界のエルバフまで。この過酷な海を航海したとすれば、相当な実力者だったことは間違いない。こちらもファンの間では、「ロジャー海賊団の一員だったのでは」という説も囁かれており、現在登場しているスコッパー・ギャバンこそがその正体として有力視されている。真偽は不明だが、「エルバフ編」のどこかで触れられる可能性は十分にあり得るだろう。

 そして、今後その正体と合わせてより注目していきたいキャラクターが、麦わらの一味の狙撃手「ウソップ」だ。稀代のうそつきであるウソップが、かねてよりエルバフに対する憧れを抱いていたことは、読者も周知の事実だろう。物語が世界の謎に迫る一方で、「エルバフ編」にてウソップのキャラクターにフォーカスしたシーンが描かれる可能性は非常に高い。

 エルバフの冒険を経て、いつか麦わらの一味が“ひとつなぎの大秘宝”に辿り着いた時、ウソップが次世代に“うそのような真実”を語る、新たなルイ・アーノートになるのかもしれない。

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