■空から降ってきた女の子を受け止め上着をかける優しさ『天空の城ラピュタ』パズー
1986年に公開された『天空の城ラピュタ』は、伝説の空飛ぶ島「ラピュタ」を巡る冒険スペクタクルである。
本作には魅力的なキャラクターや忘れられないシーンが多く登場するが、なかでも主人公・パズーとヒロイン・シータの出会いの瞬間は、ジブリ屈指の名シーンだろう。
飛行石を狙うムスカに追われ、飛行艇から落下してしまったシータ。彼女が落下した場所に偶然居合わせたパズーは、空から降ってきたシータを見事受け止めてそっと横たわらせ、さりげなく自分の上着をかけてあげている。
自分とさほど背丈も変わらないシータを受け止める力強さ、その後の紳士的な行動から、パズーのたくましさや懐の深さがうかがえる。
そしてこの運命的な出会いからパズーはシータと行動をともにし、ムスカや海賊のドーラ一家から彼女を守り続けることとなる。
ひょんなことから飛行石を巡る戦いに巻き込まれてしまったわけだが、パズーはいつも前向きに“自分に今できること”を考え、実行してきた。
屈強な大人相手でもひるむことなく身を挺して戦い抜く姿、クライマックスでもラピュタのため、滅びの呪文を使う決断をもためらわない姿……。どんなに自分の命が危ない状況でもシータの手を決して離さなかった彼は、まさにヒーローだった。
■顔だけじゃない!彼女を守るために強くなる…『ハウルの動く城』ハウル
最後に紹介するのは、2004年公開『ハウルの動く城』のイケメン魔法使い・ハウルだ。
初登場時、ハウルは主人公・ソフィーが軍人に絡まれているところに颯爽と現れる。「ごめんごめん 探したよ」と、ソフィーの肩を抱く仕草はとてもスマート。その後の空中散歩も含め、初登場時から女子の憧れを詰め込んだシーンのオンパレードだった。
本作で忘れられないのが、ハウルが戦火に身を投じていく場面だ。本来、魔法使いは国に助力することを義務付けられているものの、臆病な彼は戦争への協力を拒み続けていた。
しかし、戦火はソフィーたちが暮らす家にまで迫ってきてしまう。そこでハウルは彼女を守るため、戦いに赴くのだ。
彼が去り際に言った「ようやく守らなければならないものができたんだ、君だ」のセリフには痺れてしまう。ハウル役を務めた木村拓哉さんの魅力的な声も相まって、何度見ても心を掴まれる名シーンだろう。
カッコいいのは顔だけじゃない。サリマンや荒地の魔女から逃げ回っていた臆病なハウルが大切なものを得て強くなっていく過程もまた、キュンとするポイントなのだ。
ジブリに登場する男性キャラのイケメン行動を見返してみると、どのキャラクターも語り尽くせない魅力が詰まっていた。ヒロインを守り、さらにたくましく強くなっていく彼らの姿もまた、ジブリ作品の大きな見どころと言えるだろう。
「ジブリ男性キャラで誰が一番好き?」あなたは誰を思い浮かべるだろうか?