
『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズは、荒木飛呂彦氏による長寿漫画で、数多くの個性豊かな主人公と仲間たちが繰り広げる冒険譚として知られている。現在は第9部となる『The JOJOLands』が『ウルトラジャンプ』にて連載中だ。
そんな『ジョジョ』では味方、敵ともに複数のメンバーで行動することが多く、その組み合わせもまた魅力。「最強チームは何部のチームか」――これは長年ファンの間で熱く議論されてきたテーマである。そこで今回は、主人公チームの中から、強さ、仲間の能力バランスや頭脳戦、チームワーク、そして実際の戦績まで総合的に評価し、筆者が思う「最強チームトップ5」を選んでみた。
※本記事には作品の内容を含みます
■第2部~6部のチームの中からベスト5を選出!
まず前提として、第1部および第7部〜第9部は「仲間」と呼べるキャラクターが少ないことから除外。第2部〜第6部のチームを中心に分析してみる。
第5位は、第2部「戦闘潮流」のチームだ。主人公のジョセフ・ジョースターを中心に、シーザー・A・ツェペリ、リサリサ、ルドル・フォン・シュトロハイムが「柱の男」との激闘を繰り広げた。特に、究極生命体となったカーズを地球から追放したジョセフの活躍は、作中でもMVP級と言っていいだろう。
ただし、戦いの実態としてはジョセフとシーザーのコンビが中心であり、リサリサは波紋の師匠として重要な役割を果たすものの、活躍の場は少なかった。
第2部には「スタンド能力」が存在せず、「波紋」という特殊な呼吸法によるエネルギーを用いた戦闘が主である。ジョセフは高い知略と豊富な経験で敵を翻弄し、シーザーのシャボンを使った戦闘スタイルは特異で攻撃力も高かったものの、仲間の戦死やピンチも多かった。チームワークというよりは、個々の奮闘に近かった。しかし、頭脳戦の巧みさや死闘を乗り越えるタフさは評価に値するだろう。
続いて第4位にランクインするのは、第6部「ストーンオーシャン」のチームだ。シリーズ初の女性主人公・空条徐倫を筆頭に、エルメェス・コステロ、F・F(フー・ファイターズ)、エンポリオ・アルニーニョ、ナルシソ・アナスイ、ウェザー・リポート、そして第3部の主人公・空条承太郎が参加する多彩なメンバー構成である。
徐倫の「ストーン・フリー」は自身を糸に分解して操るスタンドで応用力が高いが、直接的な破壊力は他の主人公チームと比べると控えめ。エルメェスの複製能力やF・Fの回復力は戦局を支え、アナスイの「ダイバー・ダウン」は味方の内部干渉やダメージ肩代わりなど、戦略的に重要な万能スタンドだ。ウェザー・リポートの天候操作はときに強力な攻撃を生み出すが、使いこなせるかは戦況次第である。承太郎の「スタープラチナ」の時間停止能力ももちろん存在し、総合的な戦力としては極めて高い。
とはいえ、敵撃破数の少なさや仲間の早期脱落が目立ち、チーム全体の連携は必ずしも完璧とは言えないのが弱点だ。頭脳面では承太郎と徐倫の冷静な判断力が光るものの、メンバーの個性が強くぶつかり合う場面もあり、まとまりに課題を残した。
第3位は、第4部「ダイヤモンドは砕けない」のチームである。東方仗助を中心に、空条承太郎、虹村億泰、広瀬康一、岸辺露伴という独特な顔ぶれで構成されている。仗助の「クレイジー・ダイヤモンド」は破壊したものを治癒できる能力であり、攻防の両面で頼りになる存在だ。承太郎の「スタープラチナ」はもちろん、億泰の「ザ・ハンド」は右手で触れたものを消し去る特異な攻撃を持つ。康一の「エコーズ」は言葉や重力を操る進化型スタンドで多様性があり、露伴の「ヘブンズ・ドアー」は情報操作に特化し、敵の行動を封じる。
全体として派手な戦闘は少ないが、最終決戦では奇跡的なチームワークを見せ、メンバー同士がお互いをカバーし合う様子が際立っている。頭脳戦でも露伴や承太郎の冷静な分析が勝利に結びつき、仗助も直感的な判断で敵の弱点を突く。戦闘のスケールは控えめながら、精神的な結束力の高さがチームの強みである。