■『進撃の巨人』の推しキャラは?
――では『進撃の巨人』の推しキャラは?
水上 ジーク・イェーガーですね。九つの巨人の一つ「獣の巨人」の継承者なのですが、ジークが登場した時に、「あの無垢の巨人(知性を持たない通常種の巨人のこと)たちと話せるんかい!」っていう衝撃と(笑)、強者感が好きです。
あと、馬で特攻してきた調査兵団たちに石を投げて命中させるシーンがあるんですが、その時のジークもいいんですよ。ジーク自身は余裕たっぷりで、どこか遊び感覚でやっているようなところが、さらに絶望感を煽っているんです。
ジークの声優を担当されている子安武人さんが好きなので、そこも「推し」なポイントです。
――先ほど、お好きなアニメを伺った際に「僕のバイブルである『もののけ姫』は置いておいて」と仰っていましたが、以前から水上さんは『もののけ姫』に登場するアシタカが好きと公言されています。ご自身も好きで憧れているアシタカは、どちらかというと「正義」側ですよね。
水上 アシタカは僕の素に近いと思っていますし、セリフも全部言えますよ!
アシタカは、突如現れた「タタリ神」から村を守るために矢を放ち、右腕に死の呪いを受けてしまいます。さらにアシタカの村である「蝦夷」が大和朝廷との戦いに破れ、アシタカは北の地の果てに隠れ住むことになるのですが、蝦夷の次代の一族の長となるべくして育てられた少年が、自分の死にゆく末を曇りなき眼で見定めていこうとする生き様や姿は、キャラクターを通り越して、人として憧れます。
正義感が強くて潔いところもあるかと思えば、カヤからもらった黒曜石のペンダントをサンに渡すシーンがあって「男ってそういうもんだよな」と思いました(笑)。きれいごとで終わらせないところも、僕は好きですね。
取材・文/根津香菜子
水上恒司(みずかみ・こうし)
1999年生まれ、福岡県出身。『望み』(20)で日本アカデミー賞新人俳優賞、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23)で同賞優秀主演男優賞を受賞。主な出演作は、「中学聖日記」(18)、『弥生、三月-君を愛した30年-』(20)、「MIU404」(20)、NHK大河ドラマ「青天を衝け」(21)、『そして、バトンは渡された』(21)、『死刑にいたる病』(22)、『OUT』(23)、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」(23)、『熱のあとに』(24)、「ブルーモーメント」(24)、『八犬伝』(24)、『本心』(24)など。ボイスキャストは本作が初出演。

《作品概要》
『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』
全国公開中
監督:竹清仁
脚本:池田テツヒロ
松⽥元太、⽔上恒司、髙⽯あかり、藤森慎吾、蒼井翔太、⼩澤亜李、⽔瀬いのり、東⼭奈央、⽴⽊⽂彦、間宮くるみら声の出演。
配給:クロックワークス・TBSテレビ / アニメーション制作:マーザ・アニメーションプラネット
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