“ヘソリンガス”に“デビルカード”も…『ドラえもん』使用後に後遺症が生じる「恐怖のひみつ道具」の画像
『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2025

 3月7日に公開された、『映画ドラえもん』シリーズの第44作目となる劇場版最新作『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』。観客動員数は349万人を超え、興行収入が42億に届く勢いの大ヒットを飛ばしている。(4月25日現在)

 映画シリーズ45周年記念作となる今作では、“絵の中の世界”を舞台に繰り広げられるのび太やドラえもんたちの壮大な冒険が見どころだ。

 そんな『ドラえもん』には、令和の現代でも生まれていない魅力的なひみつ道具がたくさん登場する。今でも作品を読むと、こんな道具があればいいなあと思わず憧れてしまう。

 しかしなかには、使うことで恐ろしい後遺症が生じてしまう道具があるのをご存じだろうか。便利さと引き換えに起こる驚愕の後遺症……思わず使うことを躊躇してしまう、ちょっとヤバい道具を紹介したい。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■幸せと引き換えに失う心身への影響「ヘソリンガス」

 てんとう虫コミックス25巻「ヘソリンガスでしあわせに」に登場する「ヘソリンガス」は、吸うことで幸せになれるガスだ。

 ある日、落ち込んだのび太を見てドラえもんは「ヘソリンスタンド」というひみつ道具を出す。これは「ヘソリンガス」をおへそから体に入れることで、心身の痛みが消え、幸せな気分になるというものだった。

 これで幸せになったのび太を介し、やがて町中の子どもたちがガスを乱用し中毒状態になってしまう。最終的にドラえもんは、この「ヘソリンスタンド」に“痛みを大げさに感じるガス”を入れ、問題は解決される……というエピソードだ。

 「ヘソリンガス」は身体に影響を及ぼす、いわば麻薬のようなガスである。効果は30分間なのだが、効果が切れてまた心や体に痛みを覚えたらまた注入すれば良い……作中ではのび太たちもそんなふうにこの道具を使用していた。

 ドラえもんはガスの怖さをのび太に分からせるため、“体の痛みにも死ぬまで気がつかない”、“心の痛みにも気づかなかったらどんな悪いことでもしてしまう”と力説するのだが、ガスが効いているのび太にはその言葉が全く届いていないのが恐ろしい。

 どんなに未来の道具であっても、安易に幸せになれるようなものには恐ろしい代償がつきまとうのだろう。幸せを実感したいのであれば、まずはつらいことから逃げずに毎日努力を重ねていくしかない……そんな教訓を感じられるエピソードであった。

■お金はもらえるけど身長が縮む…「デビルカード」

 コミックス22巻に登場するひみつ道具「デビルカード」にも、恐ろしすぎる後遺症がある。

 ある日、押し入れで見つけたドラえもんの道具で、うっかり悪魔を呼び出してしまったのび太。悪魔からもらった「デビルカード」は、1振りすると300円のお金が出てくる夢のようなカードだった。だが、その代償として身長が1mm減ってしまう。

 1度試し味を占めたのび太は、その後もカードを使い続けてしまい、身長が縮みすぎてあわや体が消滅しそうになってしまう……という話だ。

 この「デビルカード」、“300円ごとに身長が1mm縮む”という設定が絶妙だ。1mmくらいなら1回は使ってみようと思う人が多いだろう。だが、それで300円が出たら、その後もカードを振り続けてしまうのではないか。

 このように楽してお金を生み出せるとなると、なかなか元には戻れないだろう。働きたくないときにカードを振り、身長がどれだけ縮んでも構わないという人も出てきそうだ。そう考えると、「デビルカード」は労働意欲を失ってしまう後遺症もありそうだ。

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