■帰れ! あたしはのび太君が大好きだもん「森は生きている」
コミックス26巻の「森は生きている」に登場する“山”は、今回紹介してきたなかでのび太ともっとも相思相愛になったキャラといえるだろう。
嫌なことがあると学校の裏山へ行くのび太。そこでゴミを片付けるのび太を見たドラえもんは感心し「心の土」というひみつ道具を渡す。これは山と心を通わせることができる道具で、山はのび太のために木の葉でベッドを作ったりおやつをくれたりと、さらに快適な場所にしてくれる。
だが、それから裏山にこもるようになってしまったのび太。ドラえもんや親の忠告も聞かず、裏山で暮らすことを決意してしまう。
心配したドラえもんが「心よびだし機」を使うと、人の形をした山の心が現れる。これ以上のび太を近づけないでほしいと頼むドラえもんに対し「いやよ。あたしのび太くんが大すきだもん」「帰りなさい! おそろしいめにあわせるわよ」と凄む山の心。
しかしドラえもんがのび太に“きみはこのままだとダメになる”と言うのを聞き、山の心は動いた。そして最終的に、山はのび太を無理やり追い出すのであった。
その後、ドラえもんが山に向かって「ありがとう…。きみ、ほんとにのび太がすきだったんだね」というセリフが、胸にしみるエピソードだ。
山の心はのび太と離れたくなくて、ドラえもんに脅迫めいたことも言うちょっと怖いキャラだった。しかし最後は本当に好きな人のためを思い、別れを決心したのである。このエピソードからは、本当に正しい愛とは何かを学ぶことができるだろう。
ちなみにのび太を愛したヤバい女の子といえば、ジャイ子をイメージする人もいるかもしれない。しかしジャイ子の場合、将来のび太と結婚する可能性はあっても、明確に好きになるようなシーンは見当たらない。
仮にのび太がジャイ子と結婚する場合、どういう経緯で彼女がのび太を好きになるかが気になる。そのとき果たしてジャイ子はどんな女の子になってしまうのだろうか……そんな想像をしてみるのも面白いかもしれない。