
井上雄彦氏のバスケットボール漫画『SLAM DUNK』(集英社)において、湘北と陵南の対決は、作中でも特に重要な試合として描かれている。練習試合での初戦に始まり、インターハイ予選の激闘に至るまで、両校のライバル関係は深い。しかし、作中で語られながらも詳細が描かれなかった“幻の試合”がある。それが「去年の」湘北vs陵南の練習試合だ。
試合の最終スコアは不明だが、ベンチにいる角田が「去年は仙道一人に47点とられて完敗だったからな!!」と口にしており、湘北は100点ゲームの大敗を喫したとされている。なぜこの試合はここまでの大差がついたのか? 因縁深い両校の戦いだからこそ、その内容が気になるところだ。今回は、作中の情報をもとに、できる限り「去年の」湘北vs陵南の試合を考察していきたい。
■「去年の湘北」のスタメンは?
まずは「去年の」湘北のスタメンから考察していこう。考えられるメンバーとしては、当時の3年生を含め、2年生だった赤木と木暮、そして1年生だった宮城、安田、潮崎、角田だ。ちなみに、三井は1年生の時点で部を去っている。
この中で、作中の情報から確実に試合に出場していたと言えるのは赤木のみ。それ以外のメンバーについては明言されていないが、無難に考えれば、木暮が出場していた可能性は高いだろう。
宮城も出場したと思われる。三井との騒動で入院していた可能性があるが、復帰後本人がまったくブランクを気にしていないことや、周りの反応などから入院と言っても長期間ではなかったと思っている。また、三浦台戦で復活した宮城を見るなり、陵南の選手たちが「ガードの宮城じゃねーか!」と反応し、越野が彦一に「あの7番よく見とけよ」と警戒していることから、去年の練習試合に出場し活躍を見せていた可能性が高い。
一方、安田と潮崎は、今年の陵南との練習試合でスタメンに選ばれたことに驚きを見せ、選ばれなかった角田は特に反応を示していない。安田にいたっては「スタメン…オレが…」と涙ぐんでいる。このことから、彼ら3人は昨年の陵南戦には出場していなかった可能性が高い。
以上をまとめると、筆者が考える「去年の」湘北のスタメンは「C=赤木、F:当時の3年生2人、G=木暮、宮城」あたりではないだろうか。
■「去年の陵南」のスタメンは?
続いて、対する「去年の」陵南のスタメンを考察していこう。作中の情報によると、昨年の陵南は県ベスト4のチーム、なかなかの結果だ。スタメンの可能性がある選手としては、当時3年生を含め、2年生だった魚住と池上、1年生だった仙道、福田、越野、植草が挙げられるだろう。
作中の情報から、魚住と仙道は確実に出場していた。ディフェンスに定評のある池上も要所で使われていたことだろう。
一方、福田については少し事情が異なる。彼が田岡監督に目潰しをしたことで無期限の謹慎処分を受けたのは2年時のことであり、湘北との練習試合には出場していた可能性はある。しかし、今年のインターハイ予選の海南戦で福田を見た木暮が「陵南にあんな奴いたか?」と言い、赤木も「いなかった」と返していた。
入学当初から仙道に対抗心を抱いてガムシャラにやってきた福田。そんな選手と一度でも試合して、湘北の選手たちが覚えていないとは考えにくい。何らかの理由で、福田は出場していなかったと考えるのが自然だろう。
残るは越野や植草。田岡監督は、魚住が3年生になる年を勝負の年としてチーム作りをしていたことから、越野や植草の2人も積極的に育成されていたと考えられる。1年時は正規のスタメンではなかったかもしれないが、今回のように得点差の開く練習試合では積極的に起用されていた可能性は高い。
以上をまとめると、筆者が考える「去年の」陵南のスタメンは「C=魚住、F=仙道、当時の3年生(要所で池上と交代)、G=越野、植草(途中からの出場かもしれないが、積極起用)」あたりだろう。