
青山剛昌氏による『名探偵コナン』(小学館)は、4月18日に『名探偵コナン 隻眼の残像』が公開されることで話題になっている。
劇場版は興行収入を順調に伸ばし続け、昨年はシリーズ最高額である158億円を記録。今年も記録更新となるかも注目だ。
本作にはこれまで数多くの事件が登場し、多彩なトリックや推理で読者を沸かせてくれた。もちろん犯人の動機もさまざまで、中にはそんな理由で犯罪を犯すの? と思ってしまうものも。
今回はその中から、特に理不尽だった犯人の動機について紹介していきたい。
※本記事には作品の内容を含みます
■自分の家を燃やして病院を建てたかった
まず紹介するのは、コミックス39巻収録の「炎の中に赤い馬」で、精神科医である犯人が起こした放火殺人事件の動機だ。
この事件は、妻に家を追い出されそうになった犯人が、自宅に火を付けて妻を殺害したというもの。不倫をしていた妻は夫と離婚したがっており、家庭は崩壊寸前だった。そのため、妻を恨んでの犯行かと思いきや、家に火を付けた理由を“私はただ家を燃やして病院を建てたかっただけ”などと語り始める。
これにはコナンも「おいおい…」とツッコんでいたが、読者としても同じ気持ちになってしまった。病院を建てたかったらそんなふうにせず別の場所に建てればいいだろうし、自宅を燃やしてしまうと不都合なことも多いはずだ……。
■ホームランボールを譲ってもらえなかった
次は殺害ではなく、怪我を負わせた犯人の動機を見ていきたい。それが66巻収録の「恥ずかしいお守りの行方」で犯人が抱いた身勝手な恨みのようなものだ。
犯人は野球場で観戦をしていた時、自分の方にホームランボールが飛んできたので、それをキャッチ。しかし、周りの観客に押された反動でボールを落としてしまい、別の人がホームランボールを手にする。
これに犯人は愕然とし、ホームランボールを手に入れた男性に譲ってほしいと何度も交渉する。そこには、病死した彼女の棺の中に、彼女がファンだった選手のホームランボールを入れてあげたいという想いがあった。
だが、その男性は断ってしまう。これに激怒した犯人は、近くにあったモップを手に取り男性の頭を強打し、重傷を負わせることになった。
いくら亡くなった彼女のためとはいえ、あまりにも身勝手すぎる……。他人を傷つけてまで奪ったボールを贈られて、亡くなった彼女は喜ぶのだろうか。