■ドラクエ史上初……悲しすぎる仲間との別れ
主人公の肉親、友人との別れは多数描かれてきたが、『ドラクエ11』ではさらにショッキングな別れがプレイヤーを待ち受けていた。
物語の後半、魔王を倒す剣を求めて「命の大樹」を訪れた主人公たちは、人間でありながら魔王の手下となったホメロスの奇襲を受け、魔王ウルノーガに剣を奪われてしまう。
魔王は、勇者の剣により大樹から吸収した圧倒的な力を爆発させ、世界を崩壊に至らしめる。主人公たちもその爆発から逃れられないと思われたが、ベロニカは体内の全魔力を使って仲間たちを安全な場所に逃がし、自身は大爆発に巻き込まれた。
その後、散り散りになっていた仲間たちが再集結し、彼女の生まれた土地「聖地ラムダ」で木に寄り添うように横たわるべロニカの姿を見つける。
まるで眠っているように見えた彼女だが、その体はすべての力を使い果たした抜け殻にすぎず、双子の妹「セーニャ」が触れると同時に、光の粒子となって消滅してしまった。
筆者自身も「まさか」と思いつつ、シリーズで初となるパーティメンバーとの死別という衝撃の展開に打ちひしがれたことが忘れられない。
そして元凶となった魔王ウルノーガを討ち倒し、エンディングを迎えた後に『ドラクエ11』のサブタイトル「過ぎ去りし時を求めて」に込められた本当の意味を知ることになり、大きな感動に包まれるのだった。
『ドラクエ』シリーズではさまざまな「別れ」が描かれているが、単に物語からの退場を意味するだけでなく、いずれも主人公たちの「その後」に大きな影響を与える描き方をされていたのが印象深い。皆さんが『ドラクエ』シリーズで大きなショックを受けた別れの場面は、どのようなシーンだろうか。