■困惑が隠せない! 意外にいいやつ……なのか?
最後に少しマニアックなセリフを紹介したい。「むかしのことは ともかく わしたちは いいともだちになれそうじゃな わっはっはっ!」、このセリフだけで誰の発言か分かった人は、相当なドラクエフリークに違いない。
実はこれ、『ドラクエ2』のストーリーをクリアした後の、竜王のひ孫が発するセリフである。
かつての竜王の城の奥にいる竜王のひ孫はハーゴンの存在が気に食わないらしく、「もし わたしにかわってハーゴンをたおしてくれるなら いいことをおしえる」と言って、ヒントをくれるキャラだ。
竜王といえば、いわずと知れた『ドラクエ1』のラスボスであり、その竜王の子孫が生きていたことに驚いたファンも多いだろう。
しかし、わざわざクリア後に竜王の城まで行く人は少なく、筆者も初見プレイ時はスルーしていた。
このクリア後の竜王のひ孫のセリフで気になるポイントは、プレイヤー目線では加害者である竜王の側が、まるで「水に流そう」と言わんばかりの態度をとっている点だ。あらためて見ても「それ、被害者側が言うセリフだよね?」とツッコみたくなる。
この図太い感じがとても印象的なセリフだった。ただ、『ドラクエ2』は『ドラクエ1』の100年後の世界が舞台となっているので、「勇者」と「竜王一族」の確執はもはや完全になくなっていたのかもしれない。
なお、スーパーファミコンやゲームボーイで発売されたリメイク版では、上記のセリフに加えて「お互いに“ちゃん”づけで呼び合おう」という馴れ馴れしい提案までしてくる。もしかすると竜王のひ孫は、過去の遺恨や相手の反応などお構いなしの、めちゃくちゃ強いハートの持ち主なのだろうか……。
HD-2D版『ドラクエ3』のことを考えると、2025年に発売されるHD-2D版『ドラクエ1&2』も相当ボリュームが増えると思われる。HD-2D版『ドラクエ3』や、ロトシリーズとのつながりが示唆されている『ドラクエ11』に関連したセリフやシーンの追加もあるかもしれない。
そして今回紹介したファミコン版での印象的なセリフのシーンが、どのように表現されるのかも非常に楽しみ。特に過去のリメイク時にもセリフが追加された、竜王のひ孫の登場場面は、よりいっそうのパワーアップを期待をしたい。