「原作リスペクト演出がニクイ…」本家『ドラクエ』に逆輸入『ダイの大冒険』の偉大なるオリジナル技 アバンストラッシュにギガブレイクも…の画像
『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』Blu-ray第1巻(エイベックス・ピクチャーズ) ©三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会 ©SQUARE ENIX LTD.All Rights Reserved.

 ファンタジー少年漫画の名作『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(監修:堀井雄二氏、原作:三条陸氏、作画:稲田浩司氏)は、名作RPG『ドラゴンクエスト』(スクウェア・エニックス)シリーズのコミカライズ作品である。

 作中のキャラが使う呪文や必殺技も基本的には本家『ドラクエ』のものだが、「アバンストラッシュ」や「メドローア」など、本作オリジナルの技も少なくない。

 豊かなバリエーションで読者を熱くさせた『ダイの大冒険』のオリジナル必殺技の中には、実は、本家『ドラクエ』でいくつか採用されたものがあるのはご存知だろうか。

 今回は『ダイの大冒険』の印象的な必殺技が、ゲームでどのように取り上げられたのかを振り返ってみたい。

※本記事には各作品の内容を含みます

■『ドラクエ11』で“アバン流刀殺法”を再現! 構えはあの必殺剣で!

 まずは、2017年に発売された『ドラゴンクエスト11』で登場した“アバン流刀殺法”だ。

 アバン流刀殺法といえば、ダイの師匠・アバンが編み出した独自の剣術だ。力に特化した「大地斬」、スピード重視の「海波斬」、心で敵を討つ「空裂斬」の三大剣技で構成され、これらすべてを極めることで必殺剣「アバンストラッシュ」が完成する。主人公・ダイが最後まで使い続けた技であり、本作を代表する剣術といえよう。

 『ドラクエ11』では大地斬、海波斬、空裂斬の3つが主人公専用技として登場した。しかも、ニンテンドー3DS版では片手剣最強の「勇者のつるぎ」系の武器を装備して初めて使える限定技となっている。“アバン流刀殺法”は真の勇者にしか扱えない剣技ということだろう。

 ゲーム内で刀殺法の技を使ってみると、さらなる驚きが待っている。主人公が剣を逆手に持ち替え、体を捻りながら薙ぎ払うように振るって攻撃する……そう、まさに「アバンストラッシュ」に酷似したモーションなのだ。実際にこれを目撃した多くの『ダイの大冒険』ファンが興奮したのは言うまでもない。

■もはやシリーズ定番の強力技! バランの必殺剣「ギガブレイク」

 『ダイの大冒険』には多くの強敵が登場するが、そのなかでも魔王軍の竜騎将にしてダイの父親であるバランはとても印象深いキャラだ。とくに雷の呪文「ギガデイン」を纏わせた魔法剣「ギガブレイク」は圧倒的で、敵ながらカッコよさを感じた人も多いだろう。

 「ギガブレイク」が本家『ドラクエ』に登場したのは、2004年発売の『ドラゴンクエスト8』からだ。それまで最強の魔法剣だった「ギガスラッシュ」の上位技として実装され、ギラ系呪文のように1グループの敵を一掃するのにもってこいだった。

 『ドラクエ8』以降も「ギガブレイク」は強力な特技として登場し続け、今や逆輸入の枠を超えて『ドラクエ』定番の必殺技となっている。

 作品によっては呪文で帯電した剣を振りかぶって敵を一閃する攻撃モーションが採用されており、バランの「ギガブレイク」にかなり近い。『ダイの大冒険』へのリスペクトを感じる演出だ。

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