「ラスボスよりキツイんじゃ…」ファミコン&スーファミ『ファイナルファンタジー』シリーズでプレイヤーが戦慄した「ヤバすぎる中ボス」たちの画像
スーパーファミコン用ソフト『ファイナルファンタジーV』(C)SQUARE 1992

 『ファイナルファンタジー』シリーズ(スクウェア、現スクウェア・エニックス)は個性豊かなキャラクター、壮大な物語、そしてプレイヤーを熱狂させる強敵とのバトルが魅力だ。

 ラスボスとの最終決戦はシリーズを象徴する名場面だが、実はその道中に登場する中ボスのほうがプレイヤーにトラウマを刻み込むことも少なくない。手強すぎる能力や不意打ちの展開で、油断した者を全滅へと追い込む凶悪な存在たちだ。

 ここでは、ファミコン&スーパーファミコン時代にリリースされたシリーズ作品の中から、FF史に名を刻んだやばすぎた中ボスたちを振り返る。

■『ファイナルファンタジー』より「アストス」

 たとえば、シリーズ第1作目『ファイナルファンタジー』のダークエルフ・アストスは、難関としてプレイヤーを恐怖させた中ボスだ。

 冒険の序盤、エルフの町の西にある荒れ果てた城で出会う彼は、最初は人間の王に姿を変えて光の戦士たちに接触してくる。沼の洞窟に眠るアイテム「クラウン」を取ってくるよう依頼され、これを渡すと彼の正体が明らかに。「ばかなやつらよ。わしこそダークエルフのおう アストスよ!」と、突如戦闘がスタートするのだ。

 アストスとの戦闘では、一撃死の魔法「デス」が最大の脅威となる。パーティの1名が死亡するため、これを食らうとパーティの戦力が大幅に低下。さらに「ファイラ」や「サンダラ」といった全体攻撃魔法も多用してくるため、対策なしでは全滅は免れない。

 これに対処するには、事前に「バサンダ」や「バファイ」といった属性攻撃に対する耐性を高める魔法を使うことが重要となる。また、戦士がパーティにいるのであれば「ヘイスト」を使って攻撃力を上げ、できるだけ早めに倒すように心がけることが攻略のカギとなる。

 だが、やはり戦闘が突然始まる点が非常に厄介なのだ。プレイヤーとしては善意で「クラウン」を渡すつもりだったのに、王の正体がモンスターだとは思わず、何の準備もなくいきなり戦闘に突入することになる。

 序盤のボスながら、その強さはプレイヤーに深いトラウマを残すほど恐ろしかった。

■『ファイナルファンタジーV』より『しんりゅう』

 『ファイナルファンタジーV』の「しんりゅう」は、ラストダンジョンの宝箱を開けた瞬間にプレイヤーを絶望に突き落とす、アストスと同じく多くの初見プレイヤーを全滅させた隠しボスだ。宝箱を開けると「中からモンスターが!」というメッセージが表示され、突然戦闘が始まる。無警戒で挑んだプレイヤーはその瞬間、計り知れない衝撃を受けることになる。

 しんりゅうが一発目に放ってくる「タイダルウェイブ」は、通常プレイでは耐えられない8000ほどのダメージを与える全体攻撃だ。これにより何の準備もしていないパーティは、戦闘開始数秒であっという間に全滅してしまう。万が一、耐えることができても、しんりゅうの猛攻は続く。強力な物理攻撃に加えて、「ふぶき」や「アトミックレイ」といった全体攻撃が次々と襲いかかる。これらすべての攻撃に対策を取らなければ、しんりゅうを倒すことは不可能だ。

 ただ、『FF5』の特長である豊富なジョブやアビリティを駆使することで、低レベルでも攻略は可能となっている。開幕の「タイダルウェイブ」は、「さんごのゆびわ」を装備してダメージを吸収することで対処ができる。さらに、「クイック」を使って2回行動させたり、「バーサク」でしんりゅうを物理攻撃に限定させ、分身や「まもる」などでその攻撃を無効化する戦法が有効だ。

 しんりゅうを倒せば、作中最強クラスの武器「ラグナロク」が手に入る。この武器を手にしたときの達成感は、まさに格別。また戦闘中もレア枠として、ムチ系の最強武器である「りゅうのひげ」を盗めることもある。しんりゅうとの戦いは、FFシリーズ屈指の挑戦といえるだろう。

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