■「本物の英雄になってみせろ!!」弟弟子のまぞっほへの一言

 バーンは地上を消滅させるために、六芒星の魔法陣になる形でバーンパレスから柱を打ち込み、そこに大爆発を起こせる魔界の超爆弾「黒の核晶(コア)」を備え付けていた。

 しかしその後、氷系呪文(ヒャド)で凍らせると爆発を止められると判明。さらに、願い事を叶えてくれる「神の涙」ことゴメちゃんにより、世界中に「黒の核晶」について知れ渡ると、地上の仲間たちが次々と「黒の核晶」を封じ込んでいく。

 最後の1つである北の果てでは、でろりん率いるニセ勇者一行が対応しようとするも、ここでは凶悪なモンスターが門番として待ち構えていた。

 でろりんたちだと見るからに勝てそうにないモンスターだったが、ここへ助けに入ったのがやっぱりマトリフ。メドローアで門番を消滅させ、弟弟子だったまぞっほと再会を果たす。

 この際かなり無理をして力が足りなくなったマトリフでは、「黒の核晶」を凍らせることはできない。代わりにその役目を任されたまぞっほはたじろぐが、マトリフはそんな彼を「おめえも男なら 一生に一度くれぇ本物の英雄になってみせろ!!」「最後にチョコッと手を出すだけで英雄になれるんだ」と諭す。それでまぞっほも勇気を取り戻し、「黒の核晶」を凍らせるのに成功していた。 

 

 仲間のピンチに颯爽と登場するなんて、マトリフはやはりスゴい。数々の助言が鋭い指摘となって魔王軍撃破につながっているのも胸アツだ。

 それにしても、序盤でポップに勇気を与えたのはまぞっほだったのに、終盤でまぞっほに勇気を与えたのはマトリフである。この伏線がなんとも素晴らしいものだった。

 マトリフとまぞっほの若いころのエピソードは『勇者アバンと獄炎の魔王』にも掲載されているので、ファンなら必見だ。

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