■繰り出されるダークな展開の数々はトラウマ級…『甲虫王者ムシキング』
子どもの頃、カブトムシやクワガタなど「甲虫」の魅力にハマった人は多いだろう。そんな甲虫をテーマとして作られたのが『甲虫王者ムシキング』だ。
2003年からセガが展開したアーケードゲームで、プレイヤーは数々の甲虫がモデルになったカードを集め、ジャンケンをモチーフとしたルールで対戦相手と勝負する。
その凄まじい人気から一大ブームを巻き起こした本作。2005年からはアニメ版『甲虫王者ムシキング 〜森の民の伝説〜』が放送されている。
アニメ版の主人公は原作にも登場した少年・ポポだ。“守護者の証”を手にした彼が森を救うために旅立ち、数々の出会いや苦難を経て成長していく物語となっている。
本作は完全アニメオリジナルの物語で、設定には大幅な変更が加えられていた。特筆すべきはストーリーの随所に見られる、ハードで凄惨な展開の数々だろう。
たとえば、村で大切に育てていたサナギが焼き払われてしまう、序盤で出会った仲間が実は死人だった、仲間の闇堕ち……などなど、人、虫ともにかなり凄惨なシーンも多く、本当に子ども向けなのかと疑ってしまうようなダークな展開が目白押しなのだ。
もともと原作ゲームの時点で、昆虫を取り巻く外来種や環境の問題などシリアスなテーマが盛り込まれていたが、アニメ版ではそれに輪をかけた描写が見られ、視聴者を震えあがらせることとなった。
人気ゲーム作品から派生するケースが多い子ども向けアニメ。オリジナルの設定やストーリーが展開されることが多く、なかにはその思い切った方向転換に原作ファンが驚かされてしまう場面も多い。
とくに、原作にはないシリアス展開の数々は、大人であっても思わず衝撃を受けてしまうものばかり。子ども向けだと油断したばかりに、ショックを受けてしまった視聴者も多いだろう。