「めっちゃ怖かった…」単行本にも未収録!? アニメ『キテレツ大百科』伝説の「トラウマ怪奇回」の画像
「『キテレツ大百科』アニバーサリー・セレクション BD-BOX」(フロンティアワークス) (C)藤子プロ/ADK

 藤子・F・不二雄氏原作のアニメ『キテレツ大百科』(フジテレビ系)は、毎週日曜のゴールデンタイムに8年間にわたって全331話が放送された大人気作品。主人公のキテレツ(木手英一)がご先祖様の「奇天烈斎」が遺した「奇天烈大百科」をもとに、さまざまな発明品を自作するというストーリーだ。

 ほのぼのとした人情ドラマが多かったアニメ『キテレツ大百科』だが、なかには日曜のゴールデンタイムとは思えない不穏なエピソードも存在した。なかでも多くのファンが「トラウマ」と口をそろえるのが、第44話「ウルトラ迷路でウロウロどっきり!?」の回だ。タイトルだけ見ると非常に楽しそうではあるが、あらためてその衝撃回のストーリーを振り返ってみよう。

※記事の性質上、ストーリーのネタバレに触れています。

■巨大迷路でみよちゃんが失踪

 当時ブームだった巨大迷路に遊びに来たキテレツ、コロ助、ブタゴリラ、トンガリ、みよちゃん。迷路の途中でコロ助はみよちゃんに出会うが、笑いながら走り出したみよちゃんは、行き止まりのはずの壁に吸い込まれるように消えてしまう。

 驚いたコロ助はキテレツたちに事情を説明するが、誰も相手にしない。やがて全員がゴールするも、みよちゃんの姿が見えないため、係員たちともに捜索するが見つけることができない。帰宅したキテレツはようやくコロ助の話を信用し、世界中で子どもが忽然と消えた「神隠し」の例を話し始める。

 みよちゃんは四次元にいるのかもしれないと考えたキテレツだが、四次元に行くための発明品がないため諦めぎみ。するとコロ助は「奇天烈大百科」に真っ黒に墨塗りされたページを見つける。

 その墨を消すと「異次元刀」という道具の作り方が載っていた。奇天烈斎が封印していた道具だったのだ。

■四次元人とのまさかの遭遇

 キテレツとコロ助は異次元刀を作り、紫色に光る次元の裂け目から四次元の世界へと向かう。四次元の世界では、道が突然川に変わって流されてしまうが、その先で黒い体に緑の目、赤い模様というシュールかつ不気味なルックスの四次元人たちに囲まれたみよちゃんを発見する。みよちゃんは次元の裂け目から四次元に迷い込んでいたのだ。

 元の世界に戻ろうとするキテレツだが、異次元刀をなくしてパニックに。四次元人たちは異次元刀を預かっているが返さないと宣言して、姿を消してしまう。

 途方に暮れるキテレツたちの前に、次元の裂け目からブタゴリラ、トンガリもやってくる。キテレツの知恵で異次元刀のありかを探し出した一行は、四次元人に戦いを挑もうとするが、四次元人は「騒がしい奴らはこの世界にふさわしくない」と返答し、キテレツたちの記憶を消して三次元に戻してしまった。全員が記憶をなくしたまま笑いあって、このエピソードは終わる。

  1. 1
  2. 2
  3. 3