■天才・ブルマも感心した「人造人間」

 一方、その天才的頭脳が悪の道に使われることもある。

 人造人間・セル編には、悟空たちの前に、人類の脅威として作り出された「人造人間」があらわれた。ただ、作中で最初に登場したのは「ハッチャン」こと人造人間8号。レッドリボン軍編のマッスルタワーで登場し、フランケンシュタインを思わせる外見ながら、心優しい性格が特徴的なキャラクターだ。

 その後、人造人間たちは「人造人間・セル編」で物語の中心に。ドクター・ゲロが生み出した人造人間19号、自らの肉体を使った20号、そして16号、17号、18号、さらにはさまざまな達人の細胞で構成された究極の存在・セルが登場した。

 ブルマが壊れた16号を修理した際に「すごい構造よ この人造人間 ドクター・ゲロはろくなヤツじゃないけど 天才だったのはたしかね」と語っているように、ドクター・ゲロの技術力は作中でも一目置かれている。ドクター・ゲロによる人造人間は、機械タイプからバイオタイプまで多岐にわたり、科学技術の可能性を感じさせる存在だ。

 キャラクターやストーリーが魅力の『ドラゴンボール』だが、作中に登場する発明品も鳥山明さんの独創性が光る重要な要素だ。ホイポイカプセルや人造人間、ドラゴンレーダー、タイムマシンなど、どの発明品も物語を支えるだけでなく、ファンの心を引き付ける大きな役割を果たしている。

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