■悪のカリスマ・クロロの「盗賊の極意(スキルハンター)」
作中でも最強クラスの能力者と言えば、クロロ=ルシルフルだ。彼は幻影旅団の団長にして、チート級の能力「盗賊の極意(スキルハンター)」を持つ危険な人物。他人の能力を盗んで使用できる、特質系の最高峰といえるほど強力な能力だ。
しかし、あまりにも強力すぎるためか、「制約」もかなり多い。4つの条件をクリアしなければ「盗む」ことができず、実際にゼノとシルバとの戦いでは、ゼノがその弱点を看破していた。
この能力の真骨頂は、すでに紹介した天空闘技場でのヒソカとの戦いで分かる。ここで彼は「コピー人形を作る」、「他人と自分の外見を変える」、「操作する」、「爆弾人形に変える」といった手順を5つほどの能力を使って、パターンを変えつつ幾度も繰り返していた。
「盗賊の極意(スキルハンター)」はどの能力をどう組み合わせ、どんな戦略を立てるかによっては、どんな相手にも勝てる可能性を秘めた念能力だ。しかしこの能力が高い効果をあげられるのは、クロロの戦略性、そして念能力への理解が凄まじいからこそだろう。
こうした特性上、クロロの戦いは難解なものになりやすく、正確には「クロロが使う盗賊の極意(スキルハンター)」が無双状態、という言い方が適切かもしれない。
■自分の死を利用するカミーラの「百万回生きた猫(ネコノナマエ)」
カミーラ=ホイコーロもかなり強い念能力を持っている。彼女はカキン帝国の第2王子(長女)として大きな影響力を持っている人物だ。彼女の念能力は「百万回生きた猫(ネコノナマエ)」といい、特殊な発動条件がある能力だった。簡単に言うと、カミーラの死を引き金にカウンター型で発動する能力である。
念能力というのは、「死」の概念と強い関連があるのが知られており、死後に念能力が強まる現象が稀に起きる。「百万回生きた猫(ネコノナマエ)」はこの特性を利用した能力で、カミーラが死ぬと突如黒猫型の念獣が現れ、敵の命を奪い取って彼女を蘇生するというものだ。
カミーラは「死後の念!!故に強く!! 蘇生の能力!!故に無敵!!」と自分の能力に絶対的な自信を持っている。実際、ベンジャミンの私設兵に頭を撃ち抜かれても、容易に生き返っていた。
敵からしてみれば相手を倒した瞬間、つまりもっとも油断した瞬間にまさかの攻撃を受けるという、とんでもないチート能力である。しかも何度でも蘇生できるので、実質不死身に近いのだ。弱点は能力を知られると容易に対策されてしまいそうなこと。そのため、「初見」の状態が最も無双に近い能力と言える。
念能力は使い方次第で、無敵の力を手に入れることも可能だ。生まれつきの才能も大きいが、「制約と誓約」を上手く設定すれば、その強みを最大限に引き出すことができる。
もちろん今回紹介した以外にも強力な念能力の使い手は数多く存在する。それぞれが自身の能力をどう使いこなし強くなっていくのか、今後の動きからも目が離せない。