
冨樫義博氏による『HUNTER×HUNTER』は、圧倒的な人気を誇る漫画作品だ。本作といえば休載および連載再開が話題になりがちだが、そのストーリーやキャラクター、バトル、伏線など、作品そのものの魅力にもあふれている。
本作において、「念能力」は作品の核となるキーワードだ。作中にはさまざまなかっこいい能力が登場するが、一見すると地味だったり戦闘向きでないように見えたりする能力でも、使い方次第で無双状態になる可能性を秘めているところも魅力的だ。そこで今回は、無双できそうな優秀すぎる念能力を4つ紹介していこう。
■ツェリードニヒの邪悪な能力「刹那の10秒」
ツェリードニヒ=ホイコーロは王位継承編のキャラであり、念能力の天才という意外な一面を持っている男だ。その邪悪な性格を反映するような不気味な念獣も気になるが、念能力の発現から超短期間で「刹那の10秒」という特殊な力を発現させた才能がとにかく凄まじい。
しかも、この力は“未来を変えられる”チート級の力で、使い方次第では危険極まりない能力なのだ。
発動条件はかなり複雑だが、「絶」の状態を続けるのが大きなカギとなっている。「絶」はオーラがまったく出ていない状態で、無防備なために大きなリスクを伴う。しかし、それと引き換えに「10秒先の未来」が見え、さらに「絶」を続けることでその未来を変えられもする。
この力は戦闘において無類の強さを見せ、実際にツェリードニヒは、護衛のテータによる暗殺をこの能力で防いだ。自分が殺される「10秒後の未来」を見て銃撃を避ける未来の改変をおこない、テータに何が起こったのか理解すらさせないほどの離れ業を見せたのだ。彼自身もこの力の可能性に気づいていて、「自在に操れるようになれば…オレが継承戦を制覇する…!!!」と確信していたほどだ。
この力を単純化すれば「10秒先が見える」、「未来を変えられる」、「相手はそのことに気が付かない」となる。この先「どれほどのことが可能なのか」と「戦闘中に絶を使うことは可能か」というポイントをツェリードニヒが完全に理解できれば、本当に無敵の念能力になる可能性を秘めている。
■コルトピの最強のコピー能力「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」
コルトピ=トノフメイルは幻影旅団メンバーの一人で、小柄で常に髪の毛で顔を隠している団員だ。戦闘タイプではなく、盗賊向きの能力者となっている。具現化系の能力者で、その能力名は「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」である。
これは超ハイレベルな具現化系で、左手で物体を触ったものをコピーし、右手からその複製を創り出す非戦闘型の能力だ。
一見するとただのコピー能力だが、実は使い方次第で戦闘にも応用できる。特筆すべきは生み出したコピーが「円」の役割も果たすことだ。円は自身のオーラの範囲を広げることで、オーラに触れた相手の位置や強さなどが分かる。使いこなせば戦闘においてかなり優位に立てる。
実際にヨークシンでコルトピは、ノストラードファミリーのスクワラをこの方法で見つけている。ゼノの円が300メートル、ピトーは円の一部を2キロほどまで伸ばせることを考えると、離れた場所で円が発動するのは驚異的だ。複製品は一日しか持たないという制限があるにしても、かなりハイレベルである。
「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」が無双可能と言われるようになったのは、クロロが天空闘技場でのヒソカとの戦いで、この能力を応用して勝利をおさめたのが大きい。クロロは、死体を複製したうえで他の能力も合わせて活用し、人形を操ったり爆破するよう仕組んだりしていた。
もちろん他の能力との連携は必要不可欠ではあるが、結果的に膨大な数の力を生み出し、ヒソカを倒している。クロロのような戦闘の天才であれば、この能力をフル活用し一対一の戦闘を一対多数の戦闘に変えられるのだ。一見地味な能力だが、操作系との組み合わせで無双できる可能性を秘めていたのには驚かされた。