鶴仙流の奥義のはずが…『ドラゴンボール』に革命を起こした「舞空術」にまつわる豆知識の画像
『DRAGON BALL』 #14 [DVD] ©バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 鳥山明さんの『ドラゴンボール』に登場する体内の気をコントロールし空を飛ぶ技「舞空術」。「かめはめ波」と並ぶ本作を代表する技の一つである。舞空術の登場で悟空たちのフィールドは際限なく大空にまで広がり、バトルはよりスピーディでよりダイナミックなものとなった。舞空術は本作に革命を起こしたと言っても過言ではないだろう。

 そこで今回は『ドラゴンボール』必須の技・舞空術にまつわる豆知識を紹介していきたい。

■忘れがちだが、もとは鶴仙流の奥義

 作中、戦士たちの誰もが使い過ぎて私たちファンもついつい忘れがちだが、舞空術はもとは鶴仙流の奥義である。当初は天津飯やチャオズなど、鶴仙人の弟子である限られた者しか使うことができない特別な技であった。

 しかし、それがいつの間にか舞空術は珍しくない技になっていく。たとえば、ビーデルは悟飯から習い始めた当日で数センチ浮き、10日で自由に飛び回るまでになっている。同時に習い始めた悟天に至っては、ほぼ1日で完全マスターしていた。

 さらに悟飯とビーデルの娘であるパンは、初登場時4歳にして舞空術をすでに習得しており、高速飛行で地球一周までやってのける姿まであった。

 悟天とパンはサイヤ人が家族にいるため別格だとしても、純地球人であるビーデルも我々が運転免許を取得するよりも早く、鶴仙流の奥義をマスターしてしまっていたのだ。

■舞空術の習得は、気の強さとは無関係

 舞空術は“気”を特殊にコントロールして飛んでいる。しかし、気の強さ自体はあまり関係がない技のようだ。

 その証拠に、亀仙人やヤジロベーはビーデルよりは実力者であり、気も相当強いはずだが舞空術は使うことができない。子ガメラに乗り、ひゅんひゅんと回転しながら移動していた亀仙人の姿が懐かしい。さらに、先に紹介した悟天も登場時すでに超サイヤ人になれていたが、悟飯から教わるまで舞空術を使うことができなかった。

 このことからわかるように、舞空術は“気”の強さではなく“コントロール”にポイントがある技のようだ。そして、そのコントロールを独学で習得するのがなかなか難しいようでもある。

 しかし、この舞空術を独学でマスターした猛者もいる。その一人がクリリンだ。天下一武道会でマジュニアことピッコロと戦った際、舞空術を披露している。その場にいた天津飯も驚いていたことから、クリリンは自らの力で舞空術をマスターしたと思われる。技巧派として知られるクリリン、ここでもセンスの良さが感じられる。

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