尾田栄一郎氏が描く海洋冒険漫画『ONE PIECE(ワンピース)』の舞台となる大海賊時代は、「偉大なる航路(グランドライン)」を制覇し、海賊王となった「ゴール・D・ロジャー」の一声をきっかけに始まった。
しかし、その大海賊時代が始まる以前に、ロジャー海賊団に匹敵する世界最強の海賊団と呼ばれたのが「ロックス海賊団」である。
その海賊団をまとめ上げたのはロックス・D・ジーベックという男で、海軍のセンゴクは「ロジャーにとっても最初にして最強の敵」とまで語っていた。
そのロックス海賊団に所属していたのも、実は世界を代表する猛者ばかりであり、今思えばあまりの層の厚さに驚かされる。そこでロックス海賊団とは、いったいどんな一味だったのかをあらためて振り返ってみよう。
■のちの四皇が3名も在籍した恐るべき海賊団
ロックス海賊団のすごさを表すバロメーターとして分かりやすいのが、やはり在籍した乗組員の強さだろう。今となっては信じられないことだが、この海賊団にはのちに四皇の座につく船員が3名もいたのである。
その筆頭は“白ひげ”の通称で知られるエドワード・ニューゲートだ。ご存知の通り、グラグラの実の能力者であり、ロックスやロジャー亡き後は世界最強とまでいわれた男だ。
さらに“ビッグ・マム”ことシャーロット・リンリン。彼女は、あらゆる生物の魂を操ることができるソルソルの実の能力者である。彼女は海賊でありながら万国(トットランド)という国を興し、女王として君臨することになる。
そしてルフィと繰り広げた死闘の記憶も新しい、百獣海賊団の総督カイドウまで、この海賊団の見習いとして在籍していたのである。
■数々の伝説を残したビッグネームたち
全盛期のロジャーのライバルとして知られる“金獅子”のシキという大海賊も在籍。ある計画を遂行するため表舞台から降りたが、そのまま海賊を続けていれば四皇入りしてもおかしくなかった実力者だ。
ロジャーとは犬猿の仲だったものの誰よりも認めており、ロジャーが海軍に捕まったことを知ると、マリンフォードにたったひとりで攻め込んで海軍本部を半壊させている。
また、強さとは別の意味で伝説を残したビッグネームも在籍した。その船員の名は「キャプテン・ジョン」。世界のどこかに莫大な財宝を隠したと噂される伝説の海賊で、現四皇のバギーは彼が隠したとされるお宝を探している。
ちなみにジョンは既に故人で、作中ではゲッコー・モリアが彼の遺体を入手し、カゲカゲの実の能力で“将軍ゾンビ”として復活させたエピソードが描かれた。