「分身術式」に「空を操る術式」など…『呪術廻戦』作中ではそれほどだったけど「使い方で化けそうな術式」の画像
アニメ『呪術廻戦』©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

 芥見下々氏原作のダークファンタジーバトル漫画『呪術廻戦』。2024年9月末に6年半の連載に幕を閉じ、堂々の完結となったが、登場する呪術師、呪詛師や呪霊らが扱う「術式」について、いまだに「どれが最強だったのか」の議論は続いている。

 そんな中で、本編ではそこまで活躍の機会に恵まれなかったものの、使い方や術者の力量次第でさらなるポテンシャルを発揮しそうな術式も少なくない。
 そこで今回は、作中で目立たなかったが使い方次第で強力になりそうな術式3選をご紹介しよう。

■使い切れてなかった!?「懐玉・玉折」の呪詛師が使う「分身術式」

  五条悟、夏油傑らの呪術高専生時代を描いた「懐玉・玉折」では、懸賞金をかけられた‟星漿体(せいしょうたい)”である天内理子を狙って、多数の呪詛師が登場する。

 その中の一人が、紙袋を被った男の呪詛師だ。彼が有する術式は、自分と同じ分身を本体も含め最大5体まで生み出せるというもので、正式な名前も術式名もわからないが、公式では「分身術者」と呼ばれている。

 単に分身を作るだけの術式ならば、今回紹介することはなかっただろう。この術式を強力なものとしているのは、本体と分身の概念が存在しておらず、術者が分身の中から自由に本物を選択できる点にある。

 分身できる時点で一対多数の有利な戦況を作り出せるのはもちろん、「六眼」のような本体を看破してくる五条などを相手にした場合でも、危なくなれば安全な分身を本体に変えて回避する、という使い方もできる。

 こうした使い方は、実際に相対した五条自身が看破しており、彼をして「いい術式持ってんじゃん」と言わしめたことからも、非常に有用な使い方ができる術式なのは間違いない。

 作中では、こうした術式のポテンシャルを評価されながらも「なんでそんな弱いのか意味分からん」とも言われており、本体が弱かったためにあっさり撃破されてしまった。

 もしも術者が東堂葵や虎杖悠仁などのフィジカル面で優れた者だった場合、おそらく分身は本体と身体的ポテンシャルなども同じと予測されるため、数を活かしてパワーで圧倒するといった運用も可能となる。仮に不利になっても、1体だけ安全な場所に退避させれば問題なく戦闘を続行できる。

 そんな使い方をできる者が分身術式を有していたとすれば、少なくとも1級術師最上位レベルは確約されていただろう。当人がそんなポテンシャルを自覚できていたかは、今となってはわからないが……。 

■術式1つで能力が完結している!「空を操る術式」

 偽夏油こと羂索が画策した「死滅回游」。現代に受肉した過去の術師も多くいる中で、仙台結界で実力を有する四人の泳者の内の一人が、烏鷺亨子だった。

 彼女は宿儺らと同じく平安の時代を生きた術師であり、 藤氏直属の暗殺部隊「日月星進隊」にて隊長を務めていた。呪術全盛と呼ばれた平安時代に、暗殺部隊の隊長を任されるのだから、結界内でも実力者に数えられているのは当然だろう。

 そんな彼女が有する術式は「空」を操る術式。こちらも分身術式同様正式な術式名は不明なままだが、空間をまるでカーテンやテントのようにつかむなど「面」で捉えられ、空間を操れる。

 イメージしづらいかもしれないが、その効果によって飛行や攻撃・防御・回避・カウンター・透明化など幅広い応用が可能になるといえば、強力な術式だと分かるだろう。

 作中では特級術師である乙骨憂太、さらに同じ結界内の実力者である石流龍とも激闘を繰り広げた烏鷺。反転術式も会得しており、傷を負っても回復して戦闘を続行できるなど、術師としてのレベルも高かった。

 最終的には領域展開後の隙を突かれて重傷を負い、ポイントを乙骨に譲渡して退場したものの、術式の汎用性が非常に高かったことは間違いない。

 事実、宿儺との最終決戦の中、乙骨は領域展開時、自身の術式である「模倣(コピー)」によって烏鷺の「宇守羅彈(うすらび)」を最初に発動している。この描写からも、乙骨が烏鷺の術式のポテンシャルを評価していることがうかがえる。

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