■あの人の死に方にショック…なぜリハクはケンシロウとラオウの戦いを止めない?
『北斗の拳』についてほとんど知らない娘だが、唯一知っていたのがラオウであった。その理由は、野球好きの彼女がオリックス・バファローズの杉本裕太郎選手の“ラオウ昇天ポーズ”を見ていたからである。
それだけに、ラオウの最期を読んだ時は「えっ! ラオウは自分で命を絶っていたの?」と衝撃を受けていた。あのポーズはケンシロウに攻撃を受け、瀕死の状態で繰り出したと思っていたらしい。それでも自身で自分の秘孔を突くシーンには“やっぱりラオウらしい”と驚嘆し、「さらばだ ケンシロウ」というセリフに鳥肌が立ったそうだ。
ラオウの死によって、長きに渡った北斗兄弟の戦いは終わった。しかし娘は物語終盤にたびたび登場していた五車星・海のリハクの行動にちょっともやもやしたという。
部屋中に爆発を仕掛けた結果、ユリアがラオウに捕まってしまったり、ケンシロウは目が見えにくくなったり。さらに急げば2人の戦いを止められそうなのに「間に合ってもふたりの戦いを止めることはできぬって……もうちょい頑張ってほしかった」と、残念がっていた。
できれば悲しい結末ではなく、最後は兄弟が和解するなど平和に解決してほしかったようだ。
娘にとって『北斗の拳』は「面白いけど、痛々しいインパクトもある作品」だったそう。現代でも過激な描写漫画は多いが『北斗の拳』は画力がずば抜けていることもあり、リアルに痛さが伝わってきたとのことだ。
とくにケンシロウの仲間であるシュウやフドウが痛めつけられるシーンは、なかなか直視できなかったという。それでも作中に出てくるリンやマミヤ、ユリアといった女性陣の美しさに救われたようだった。
令和っ子にとって『北斗の拳』は、いろいろな意味で衝撃的だったようだ。現代のヒーロー像とは異なるケンシロウ。だが、娘がその活躍に胸を躍らせていたのは間違いない。
歴史に残る昭和の名作を最後まで読んだとき、どんな感想を持つのだろうか。『北斗の拳』のいちファンとして、楽しみに見守っていようと思う。