『ONE PIECE』エルバフで待ってるのはスコッパー・ギャバン? クロッカス、レイリーなど重要地点に「元・ロジャー海賊団」がいる説は本当なのかの画像
DVD「ONE PIECE Log Collection “PROMISE”(初回限定版)」(エイベックス・ピクチャーズ)

 尾田栄一郎氏が描く冒険マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』。25年以上続いてきた物語は最終章へと突入し、これまで作中で語られてきた多くの伏線や謎が明らかにされつつある。

 これまで主人公の「モンキー・D・ルフィ」率いる麦わらの一味は、東の海(イーストブルー)を経て、偉大なる航路(グランドライン)に突入。さらにグランドラインの後半の海である新世界を航海し、さまざまな島を冒険してきた。

 いろんな地で重要な出会いがあり、巧妙に伏線なども織り交ぜられていた。そして気になるのが、冒険の重要なポイントでは、必ずといっていいほど「ロジャー海賊団」の幹部たちがルフィを待ち構えていたことだ。

“海賊王”ゴール・D・ロジャーと一緒にラフテルにたどり着いた者たちが、ルフィと遭遇したのは、はたして偶然だったのだろうか。これまでの出会いを振り返りつつ、次にルフィが出会う人物を予想してみたい。

■ロジャーに語りかけたクロッカスのセリフの意味

 まずは海賊として旗揚げをしたルフィが、航海途中で最初に出会ったロジャー海賊団の関係者は、双子岬にいた「クロッカス」だ。

 アイランドクジラのラブーンを見守っていたクロッカスは、ロジャーの船に船医として乗っていた人物。そのときラフテルへも足を踏み入れており、「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」の正体や、世界の真実を知った生き証人でもある。

 クロッカスのいた双子岬はリヴァース・マウンテンを抜けた先にあり、「偉大なる航路(グランドライン)」の始点にあたる。この地で7本ある磁気のなかから1本の航路を選ぶことになるため、非常に重要な場所なのだ。

 そしてルフィと出会ったクロッカスは、「あいつらは…我々の待ち望んだ海賊達だろうか…(中略)なァ…ロジャーよ」と語りかける場面があった。

 物語が進んだ今、あらためてこのセリフを振り返ると、ワンピースを手に入れられる海賊を導くために「偉大なる航路」の入口でじっと待っていたようにも思えてくる。

■レイリーがコーティング職人になった理由は?

 続いてルフィが遭遇したロジャー海賊団の元クルーは、シャボンディ諸島で出会った「シルバーズ・レイリー」だ。

 彼はロジャー海賊団の副船長として活躍した、いわば海賊王の右腕であり、“冥王”の異名をとるレジェンド。見聞色、武装色だけでなく、覇王色の覇気まで使える猛者であり、その強さは今も健在だ。もちろんクロッカスと同様に、ラフテルに到達している。

 そんなレイリーはシャボンディ諸島で隠居しつつ、コーティング職人として活動していた。

 新世界に向かうために「赤い土の大陸(レッドライン)」を越えるには、1万メートルの深海にある魚人島を通るしかない。そのためシャボンディ諸島に立ち寄り、船をシャボンコーティングしなくてはならないのだ。

 言ってしまえばシャボンディ諸島は実質的な新世界の入口である要所で、海賊を引退したレイリーは、あえてこの地でコーティング職を選んだことになる。そう考えると、やはり新世界へと向かう見込みのある海賊が現れるのを待っていたようにも見える。

 過去にシャンクスから「ロジャー船長と同じ事を言うガキがいたんだ」と聞かされていたレイリーは、ルフィに会うことを楽しみにしていた様子。そして実際に出会ってからは、ピンチを救ったり、覇気の修行をつけたりと、あらゆる場面でルフィをサポートして導いた。

 新世界へと旅立つルフィに、若き日のロジャーを重ねて涙を浮かべたレイリーの姿を見ると、まるで次なる海賊王になる男と認めたようにも感じられた。

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