『ドラゴンボール』ハラハラドキドキの連続だった…!「フリーザ編」の面白さを振り返るの画像
『ドラゴンボール改』サイヤ人・フリーザ編 Blu-ray BOX(Happinet(SB)(D))

 鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)は、ファンの間で「何編が一番面白かった?」と話題になることも多い。

 個人的には、サイヤ人編をきっかけに一気に面白くなった気がする。戦闘力の数値化によって、強さを具体的に知ることができたのも大きいだろう。とはいえ、後半はパワーインフレが起こってしまい、戦闘力について触れなくなってしまったが……。

 また、斬新な設定ばかりのサイヤ人編やフリーザ編は、特にワクワクした記憶がある。スカウターによる戦闘力表示、重力を利用しての修行、サイヤ人の瀕死状態からの回復による戦闘力アップなど、いろんな描写が伏線にもなっていたからスゴい。

 今回はその中からフリーザ編に注目して、どこが面白かったのかを改めて振り返ってみたい。

■圧倒的な強者が次々に登場

 フリーザ編では、ナメック星を舞台に多くの敵キャラが登場して驚かされた。フリーザというラスボスを筆頭に、ザーボンやドドリア、ギニュー特戦隊の強さはケタ外れだった。

 ナメック星に到着したクリリンと悟飯の戦闘力は2千にも満たないので、2万以上の戦闘力を持つザーボンやドドリアの敵ではない。さらにそこへ、地球での戦いから復活を果たし戦闘力の上がったベジータまでも参戦してくる。

 戦えば殺される……。そんな状況で、クリリンと悟飯はなんとかやり過ごしてドラゴンボールを集めていた。ベジータが激しい戦闘を繰り広げる中、ふたりの頭脳プレーが発揮されたと思う。

 またギニュー特戦隊の出現によって、敵同士だったベジータとクリリンたちが手を組んで戦うという熱い展開にもなった。その一方でこれまで謎に包まれていたフリーザの戦闘力も明らかに……。ネイルとの戦いの際、「わたしの戦闘力は530000です」と語られた戦闘力は絶望的だった。

 しかしその後、悟空ががギニュー特戦隊を上回る戦闘力を見せ、「瞬間的に出せる力はまだまだこんなもんじゃねぇ」と話したことで、微かな希望も見えた。

 この場面が、フリーザ戦への序章として盛り上がる展開の連続だったのは間違いない。

■フリーザの3段階の形態変化

 すべての部下が倒され、ドラゴンボールで願いが叶えられなくなったフリーザは激怒した。そして、ここからフリーザとの本気の戦いが始まる。フリーザは変身タイプの宇宙人で、3段階の変身によって戦闘力をさらに上げていくことができた。

 第2形態となったフリーザの戦闘力はなんと100万以上で、ベジータですら手に負えなくなった。しかし、それを食い止めたのがネイルと同化したピッコロで、変身したフリーザとも互角以上に戦闘を繰り広げる。これならいけるか?と思われたが、フリーザが第3形態に変身してしまうと相手にならなくなった。

 しかもフリーザは、そこからすぐに最終形態へと変身し始めてしまう。その時の悟空は、ギニューとの戦いの傷を癒やすため回復を待つしかなかった。クリリンだけじゃなく読者も、早く来て!とハラハラさせられたはずだ。

 そこでベジータは、あえて瀕死となってデンデの超回復により復活を遂げ、フリーザと戦うことにする。戦闘力を倍増させれば勝てる見込みがあると思ったのだろう。

 しかし、フリーザの戦闘力はそんなベジータの戦闘力を軽々と上回っており、まるで赤子扱いだ。ベジータも絶対に勝てないと理解させられ、完全に心を折られてしまう。おまけにクリリンたちは見ていることしかできない状況……。

 ここまでの力の差を見せつけられると、悟空がどうやって相手にするのかも分からなかった。フリーザの3段階による変身は、絶望と希望の繰り返しだったように思う。

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