■『NARUTO』扉間の行動にキレた柱間
次は岸本斉史さんによる『NARUTO-ナルト-』の千手柱間のエピソードだ。柱間は作中でもずば抜けた力を持つ忍で、うちはマダラと並ぶ存在である。彼はもともとの性格に加え、あまりに強すぎるのもあってか、他の忍に対して感情的になることが少ない。
それは絶対的な強さのあらわれでもあり、強者の余裕を感じてしまう……。殺し合いの戦争を何度も繰り返しているのに、怒らず穏やかな性格を保ち続けているというのも驚くべきことだ。それだけ争いを好まず、平和を求めている証拠でもあるだろう。
そんな柱間がマジギレしたのは、第四次忍界大戦の最中に穢土転生で蘇った時である。うちは一族についての話を終えた後、扉間がサスケに対して殺気を放ったのに対し、「扉間…」とつぶやいただけでその場の空気を変えてしまったのだ。
この場面の柱間は扉間に対し、本気でプレッシャーをかけていた。それを見たその場の全員が完全に引いていたのも分かる。それだけ柱間は、本気になったら恐ろしいというのが伝わってきた。
この人だけは絶対に怒らせてはいけない……そう思えるシーンでもある。
■『暗殺教室』鷹岡に初めて本性を出した渚
松井優征さんによる『暗殺教室』に登場する潮田渚も怒らせてはマズいキャラのひとりだ。そんな彼は「ガチギレ」とは少し違うが、恐ろしい本性を垣間見せて周りをビビらせたことがある。
渚は、水色の髪を頭の高い位置で2つに結んでいるかわいいビジュアルの男子生徒で、おっとりとしており基本的に何に対しても受け身だ。特に初期の頃は、感情のままに行動を起こす場面はほとんどない。しかし、そんな彼が初めて恐ろしい一面を見せたのが教師の鷹岡明とのワンシーンだ。
鷹岡は自分の野望のため生徒を力で押さえつけ、都合の良い駒のように扱う外道である。そんな仕打ちに対して皆の我慢が限界に達した時、鷹岡は代表の生徒がナイフを一度でも自分に当てられれば出ていってやると宣言した。
そこで選ばれたのが渚だったが、その柔和な雰囲気に鷹岡は完全に油断してしまう。しかし渚は殺気を消して近づくと、手際よく背後に回ってナイフを鷹岡の首筋に当てたのだ。これは渚に隠された「暗殺者」としての才能がはじめて垣間見えた瞬間でもある。
この場面では周りの生徒もかなりびっくりしており、渚の普段の姿とのギャップが際立っていた。
大人しいキャラが激しい怒りをみせると、その場の空気が凍りついてしまう。普段の穏やかな姿を知っているからこそ、周りも驚いて動揺してしまうのだろう。
しかし、意外な一面を見られるという点では、ファンとしては嬉しいかもしれない。そのめったに見られないレアな表情を、ぜひ本編でもチェックしてみてほしい。