■推しはブラキオサウルス！ 親子で「恐竜」好き
――今作では恐竜がたくさん登場しますが、小林さんのお子さんも恐竜がお好きだとか。
小林 うちには７歳の息子がいるんですけど、やっぱり恐竜が好きなんです。毎年、恐竜の化石を観に博物館へ行ったり、恐竜イベントに行ったりしています。恐竜図鑑もうちに４冊あるんですが、書店に行くたびに「恐竜図鑑ってこんなにたくさん種類があるんだ！」ってびっくりしますね（笑）。
うちの子が好きな恐竜図鑑は、恐竜の身体の中がわかる仕掛けがあって、恐竜がどんなものを食べているかがわかるんですよ。子どもは探求心が旺盛なので、ちょっと難しそうな恐竜図鑑も読みたくなるみたいで、大人向けの恐竜図鑑も読みたそうにしている。幼いながらも、恐竜のロマンに心がかき立てられているんだなと感じています。
――今回の映画に登場する恐竜をご覧になっての感想は？
小林 今回の映画に登場する恐竜は、福井県立恐竜博物館のスタッフのみなさまのご協力のもと、最新の研究結果が反映したものになっているんですね。恐竜が好きな人であれば、自分の知っている恐竜の形態とはもしかしたら少し違った発見があるかもしれないですし、恐竜をあまり詳しくない方でも最新情報が詰まった恐竜の迫力をぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
――今回の映画では、恐竜がしんちゃんたちといっしょにイキイキと動き回りますが、そのアニメーションもとても新鮮です。
小林 最近のアニメ作品では、恐竜のような生き物を描くときに３ＤＣＧが使われることが多いそうなんですね。でも、今回出てくる恐竜は全て手描き！ 一枚一枚をアニメーターさんが描いているわけなので、その熱量の高さがすごいですよね。頭が上がりません……！ 佐々木忍監督もおっしゃっていたんですけど、手描きのおかげで細部までこだわることができて、チラッと写るだけの恐竜が実は違う種類の恐竜だったり、いろいろな恐竜を出すことができたそうなんです。チラッとだけ出てくる恐竜がみなさんの「推し恐竜」かもしれないので、ぜひ見逃さないでいただきたいですね。
――小林さんは「推し恐竜」がいらっしゃるんですか？
小林 私はブラキオサウルスが推しなんです！ すごく大きい恐竜なのに草食なんですよ。どういう身体の仕組みになっているんでしょうね。私は別の作品でブラキオサウルス役をやったことがあるという縁もあって、すごく気になっています。今回の映画でもブラキオサウルスはしっかり出てきますよ！ ちなみに、うちにはトリケラトプスのフィギュアがいっぱいあります（笑）。
――息子さんはトリケラトプス推しなんですね！ さて、今回の映画では、恐竜にまつわるキーパーソンとして、北村匠海さんが演じるビリーという人物が登場します。北村さんの印象はいかがでしたか？
小林 映画『しんちゃん』に出てくださるゲストの方々は毎回本当に素晴らしいんです。今回もビリー役の北村匠海さんが本当に素晴らしくて……。もともとビリー役というのは、監督が北村さんをイメージしてデザインをしたキャラクター。もし北村さんが声優のオファーを受けてくださらなかったらどうしようと思っていたみたいなんです。
北村さんは「やらせてください」と二つ返事だったそうで、本当にぴったりの役どころだったと思います。やっぱり役者としては、自分に当て書き（演じる俳優にあわせて脚本を書くこと）されたキャラクターに挑むのは、すごく大変な部分もあると思うんです。等身大の青年をクレヨンしんちゃんの世界観を壊さずナチュラルに動かすという、すごく難しいことを完璧に演じられていて、本当におみそれしました！
――ゲスト声優では、他にもお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介さんと畠中悠さんが参加されています。
小林 オズワルドのお二人もレベルが高くて……声優初挑戦と名乗るのはやめていただきたいくらい（笑）。前回の空気階段のお二人も本当に素晴らしかったのですが、今回のお二人も本当に勘が良くて、素晴らしかったです。さらに、観ているみんなを楽しませようというアイデアを盛り込んでくださるので、みんな初挑戦じゃないレベルのお芝居なんですよ。こっちとしては商売上がったりだなっていつも思っています（笑）。
伊藤さんはサービス精神を発揮されていて本当に魅力的だし、畠中さんはセリフが４言しかないんですが、その４言に全力を注いでくださった上に全力で面白い。本当にオズワルドのお二人が楽しんで収録してくださったことが、声を通してこちらにも伝わってきて、本当にありがたかったですね。
【小林由美子プロフィール】
6月１８日生まれ、千葉県出身。１９９８年に声優デビュー。おもな出演作に、『ピースメーカー鐵』『焼きたて!!ジャぱん』、『デュエル・マスターズ』シリーズ、『鬼灯の冷徹』などがある。２０１８年からは『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけ役に起用された。
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