漫画やアニメに登場する特殊能力にはそれぞれの強みがあり、使い方次第でいろんな可能性を引き出せる。要するに、必ずしも強い能力を持っている者が勝つわけではないのだ。
尾田栄一郎氏の『ONE PIECE』(集英社)に出てくる悪魔の実もそのひとつではないだろうか。
悪魔の実は能力をどう使うかで、その強さが変わってくる。ルフィのゴムゴムの実も最初は「こんな能力が強くなるの?」と思ってしまったほどだ。しかし、ルフィはその能力を成長させることで最強の能力に引けを取らない存在になっている。
そこからも、ひょっとしたらもっと上手く使えば実は最強になっていたんじゃないのか? という能力もあるはずだ。
そこで今回は、あっさりと敗れてしまい、弱そうに見えた悪魔の実のなかで「ひょっとしたら最強になったかも」と思われるものを振り返っていきたい。
■覚醒したらかなりヤバそう!?「ノロノロの実」
まず紹介したいのは、フォクシー海賊団の船長・フォクシーの「ノロノロの実」だ。その能力は、“ノロマ光子”というものを体から発して、それに触れたものの動きを約30秒間だけ遅くするというもの。
生物はもちろん無機物にも有効であり、鏡の反射を利用するなどもできるので、使い方は幅広い。しかもフォクシーは懸賞金2400万ベリーにもかかわらず、当時の懸賞金が1億ベリーだったルフィを翻弄する場面もあったので、その能力が優れているのは立証済みだ。
作中ではギャグ寄りの描かれ方だったが、この能力は食らったら終わりとも思える。その理由は約30秒もの間、ほぼ無防備状態となってしまうからだ。その間に能力者へ海楼石による能力の無効化などをしてしまえば、あとはやりたい放題だろう。
さらに、この能力をフォクシーがもっと鍛え上げたとしたらスゴいことになりそうだ。たとえばノロマ光子を放射状に放ち、範囲を広げて能力を発揮できれば、フォクシーには誰も近づけない。それにノロマになる速度をもっと遅くして、かつ長時間効果を持続できるとするなら、時を止められるレベルに至る可能性だってありえるだろう。
いずれにしても覚醒したらヤバい能力には違いない。使用しているのがフォクシーで良かったのかもしれない。
■見えない爆弾はやはり怖い…!「ボムボムの実」
次は、バロックワークスのオフィサーエージェントであるMr.5の能力を見ていこう。彼は「ボムボムの実」の能力者で、全身のあらゆる箇所を起爆させられる爆弾人間だ。
しかも、鼻くそや吐息といった分泌物までも爆弾になるので、うかつに近づくことができない。特に吐息を爆弾にできる“そよ風息爆弾(ブリーズ・ブレス・ボム)”はかなり便利だと思われる。実際に作中でも息を弾丸のように飛ばして爆発させていた。
そよ風息爆弾はあまり注目されてはいないが、見えない爆弾というのはかなり恐ろしい。これをもっと昇華させられるなら、かなり恐ろしい能力にもなるはずだ。もし、組み付かれて耳や鼻、口に直接息を吹き込まれたら、内部から破壊されるのは確実だろう。さすがにキスする姿は見たくはないが……。
他にも爆風を利用して加速しながらの移動や攻撃も可能かもしれないので、素早さや攻撃力アップにも繋げられるだろう。能力を向上させ、爆発力を上げられれば誰も近づくことすらできないのではないだろうか。
ちなみに上位互換として、自身の体と触れた無機物を破裂させられるパムパムの実がある。こちらの方が強そうにも思えるのだが、個人的には吐息を爆弾に変えられるボムボムの実を推したい。