『マジンガーZ』弓さやかに『コン・バトラーV』南原ちずるも… 少年たちを夢中にさせた70年代「ロボアニメヒロイン」の色あせないキュートさの画像
『ゲッターロボ』DVD第4巻(東映ビデオ) (C) ダイナミック企画・東映アニメーション 

 人が巨大ロボットに乗って戦う巨大ロボットアニメ。今でこそ多くの作品が存在するが、その始まりは1972年12月から放送がスタートした永井豪氏とダイナミックプロによる『マジンガーZ』の登場であった。多様な武器やロボットとパイロットの関係などは、すでにこの頃からある定番要素だが、主人公を支えるヒロインの存在もその1つだ。

 主人公を支えるヒロインは当時の子どもたちの心を惹きつけ、後々の作品にもそのポジションを確立させることとなった。今回はそんな70年代ロボアニメのヒロインたちについて振り返ってみよう。

■主人公に対抗心と恋心を燃やす 弓さやか

『マジンガーZ』が元祖・搭乗型巨大ロボットアニメなら、弓さやかは元祖・搭乗型巨大ロボットアニメヒロインということになるだろう。彼女はマジンガーZの開発者・兜十蔵博士の弟子である弓弦之助教授の娘で、父が責任者を務める光子力研究所で働いている。そのため、自然とマジンガーZや主人公の兜甲児と密に接することができるポジションである。

 彼女は甲児に好意を寄せているのだが、その勝ち気な性格のせいでなかなか素直になれず、彼とは喧嘩しがちだ。

 パイロットスーツは初期は全身黄色のつなぎのようなもので、中盤からはピンクが基調で中心にVの字に白が入ったミニスカートタイプのものに。一転して女の子らしい服装となった。

 アフロダイAやダイアナンAに乗って戦うが、サポート要員なので戦力としてはイマイチだ。しかし甲児をライバル視していることもあり、「お前さんに難しいロボット工学が分かるはずなんてないじゃんか」「ウッシッシ、今に見ていろ甲児のヤツめ…」と、甲児に辛辣な言葉を浴びせる場面も多々ある。

 とはいえ、甲児が大怪我を負って意識不明になったときには「甲児くん、死なないで」と心配し、キスまでしてしまう場面もあった。今の時代で言う「ツンデレ」的な要素が魅力的なヒロインである。

■チームを支えるマネージャー 早乙女ミチル

ゲッターロボ』に登場する早乙女ミチルは、勝ち気でお転婆な性格。その性格をはじめ、同時期のヒロインである前述のさやかとの類似点は多い。

 両者の違う点としては、ミチルは学校に通っていることが挙げられる。学校ではマドンナ的存在だという部分からはミチルの普段の生活が垣間見え、また、子どもたちの憧れにもなった。

 他には戦闘における役割だろうか。ロボットに乗り込みマジンガーZと共闘するさやかと比較すると、ミチルはロボには乗らずにゲッターチームをサポートする、マネージャーのような役割であった。

 とはいえ、彼女は恐竜ジェット機を奪って自力で研究所へ帰還したこともある。続編の『ゲッターロボG』ではエネルギー補給ができる「レディコマンド」に乗り、ゲッターのサポートをおこなった。神隼人が行方不明になった時は「私にやらせて」とライガー号に搭乗して戦っている。

 なし崩し的ではあるものの、徐々にパイロットとしての活躍の場が広がっていった、成長の様子がたくましいヒロインだ。

 パイロットスーツは紅白のカラーのバトルスーツである。スカーフは黄色でアクセントが効いており、ゲッターチームのサポートを積極的に買って出るミチルらしい、ヒロイックな服装である。胸のきわどい位置にボタンがあるという、やや奇抜なお色気要素も印象的だった。

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