■イタチの大きさはビルの建物ほどあると思った『ガンバの冒険』
『ガンバの冒険』は、1975年4月から日本テレビ系列で放送された東京ムービー(現:トムス・エンタテインメント)制作のアニメだ。1984年には、映画「冒険者たち ガンバと7匹のなかま」が公開されている。
『ガンバの冒険』のあらすじはこうだ。主人公はネズミのガンバ。仲間とともに楽しく暮らしていたが、ある日、子ネズミの忠太が傷つき助けを求めてくる。忠太の話によると、残虐な白イタチの“ノロイ”にネズミたちが襲われ続けているという。そこからガンバと仲間たちは、イタチのノロイを倒すべく奮闘するというストーリーだ。
本作も小さなネズミが主役ということもあり、ノロイの大きさは非常に巨大に見える。一般的な日本のイタチの大きさは35cm程だが、白い巨体で襲い掛かるノロイの姿はとてつもなくデカいのだ。
とくに映画館のスクリーンで荒波をバックに登場するノロイは怖かった。その迫力に圧倒された幼い頃の筆者は、“ノロイはビルよりもデカく、動物のなかでも最強”と本気で思いこんでしまっていた。
子どもたちにトラウマ級の恐ろしさを与えたイタチは、世界中どこを探してもきっとこのノロイだけだろう。
デカい動物の多くは主人公たちを苦しめる存在だ。その尋常ではない大きさが読み手に恐怖を与えるも、立ち向かい、やっつけたときには爽快感がある。
ちなみにデカい動物の描写は、実写だとかなり違和感があるだろう。しかしアニメや漫画の世界で登場する巨大な動物は、違和感なく受け入れられる不思議な魅力があるのも事実だ。