■原点はブレイクダンスだった? 『仮面ライダー電王』
そんな佐藤さんのアクションの原点とも呼べるであろう作品は、彼のキャリア初期にさかのぼる。それは2007年の特撮ドラマ『仮面ライダー電王』だ。
主役の野上良太郎に抜擢された佐藤さんは、さまざまな性格や個性を持つ、何体もの「イマジン」に乗り移られるという難しい役どころ。何役ものキャラクターを見事に演じ分け、世間は彼の名を知ることとなった。
注目すべきは、この役の中で挑戦したダンスシーンだ。劇中ではさしかえのキャストなしで、プロ顔負けのキレキレなブレイクダンスを披露。高校時代、ダンスに明け暮れていたという佐藤さんは、当時ブレイクダンスを特技として売り出していたそうだ。
のちにさまざまなアクションシーンで彼が見せてくれる滑らかで美しい動き、そしてその表現力は、ダンスという基礎にアクションが融合して生まれたものなのかもしれない。
ブレイクダンスから常人離れした剣技まで、佐藤さんが見せるアクションは多岐にわたるシーンで異彩を放っている。今や日本を代表する名優になった佐藤さんだが、それも踏まえて今後もその唯一無二のアクションに注目したいところだ。
なお、『はたらく細胞』のアクション監督は『るろ剣』『亜人』も手がけた大内貴仁さんだ。佐藤さんとの伝説タッグの復活に、12月の映画公開に向けて期待がますます高まる。