■『週刊少年ジャンプ』巻末でコメントを出した吾峠呼世晴さん

 アニメ「柱稽古編」の最終回放送に向けて盛り上がりを見せる『鬼滅の刃』の吾峠呼世晴さんは、『週刊少年ジャンプ』の巻末コメントで作画ミスに対する謝罪をたびたび出していた。

 たとえば2018年3月発売の15号で、吾峠呼さんは「単行本の表紙、刀の持ち方を左右間違えました。先にお詫びします。陳謝!」とコメント。よく見ると、同年3月に発売された10巻表紙の竈門炭治郎の刀を持つ手が左右逆で、通常右手が上になるところ左手が上になっている。

 言われなければわからないレベルであるにもかかわらず、読者が気付く前に伝えてくれたわけだ。とはいえ、炭治郎が会得しているかは別だが、実際の剣術には持ち手を左右逆にする「左太刀」という構えもある。

 さらに、2019年12月発売の4・5号合併号では「18巻のカバー、カナヲの刀の位置を左右間違えております。毎度すみません汗」とコメント。通常武士はすれ違う際にお互いの刀がぶつかり合わないよう刀を左側につけるのだが、同月に発売された18巻では、座っているカナヲの刀が右側になっている。

 最終回間近となった2020年5月発行の23号では、炭治郎が感覚がないはずの左手を使って食事をするコマが描かれた。吾峠呼さんは巻末コメントで、「ラストページ炭治郎左手使っておりますが作者渾身の作画ミスにつきご容赦!」と大々的に謝罪。単行本ではすでに修正がかけられているため、このコマが掲載されている23号はある意味レアだ。

 また、『ジョジョの奇妙な冒険』第1部に登場した「家族を持ったことがない」というセリフがあるウィル・A・ツェペリに、第2部でシーザーという孫がいたことが判明するという設定ミスも印象深い。本誌で発覚したこのミスに、原作者の荒木飛呂彦さんは単行本4巻の「おわびのためのあとがき」で謝罪をし、「大人はウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです…」と述べていた。

 作画ミスは人が作っているからこそ起こるもの。批判ではなく、作家へのリスペクトを持って作品を楽しみたい。

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