■ピッコロ大魔王の部下・タンバリン
最後は、ピッコロ大魔王の忠実なる部下であるタンバリンだ。タンバリンは、悟空が天津飯に敗れて準優勝に終わった天下一武道会の終了後に登場した初の魔族である。
『ドラゴンボール』には人間だけではなく、動物キャラや怪獣、恐竜も存在するので種族としては何でもありの世界だ。中でも地球を恐怖に陥れた種族が魔族である。そのトップに君臨するのがピッコロ大魔王で、部下を卵で生み出していた。
そんなピッコロ大魔王に生み出された魔族のひとりであるタンバリン。彼は大会終了後のクリリンを狙って殺し、それを皮切りに世界征服のための活動を始めた。あの時は、「まさかクリリンが殺されてしまうとは!」という驚きもあった。
桃白白も殺しをたくさんしていたが、タンバリンの殺し方はそれと比べても異質。人ではないからこそ、化け物に襲われている感じにしか見えなかったからだ。特にギランを殺した時、腕が体を貫通するシーンはかなり衝撃的だった。しかも常に不敵な笑みを浮かべながら戦っているところからも、得体の知れない恐怖を感じてしまう。
これまでの悪役の中でも残忍さがケタ違いだったので、タンバリンの登場から『ドラゴンボール』の雰囲気ががらりと変わったような気もした。
子どもの頃に怖いと感じた『ドラゴンボール』の悪役は、今こうして振り返ってみてもなかなかの存在感を放っている。作中で初めての殺しや規格外の強さを見せているからだ。子ども心に強烈に刻まれたインパクトは一生忘れられないだろう……。