■徹底した肉体づくりで見せつけた女優魂…『鋼の錬金術師』松雪泰子
2001年より『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)で連載された荒川弘さんの『鋼の錬金術師』は、“錬金術”の存在する世界を舞台としたダーク・ファンタジー作品だ。
“鋼の錬金術師”として活躍するエドワードと、肉体を失い鎧として生きる弟・アルフォンスを主人公に、軍事国家アメストリスの裏側で蠢く巨悪の陰謀、苛烈な戦いを描いた本作。
全世界シリーズ累計発行部数が8000万部を突破した人気作品で、アニメ化はもちろん、2017年には実写映画が公開されている。
実写映画では漫画にも登場する強敵・“ホムンクルス”たちとの激戦が描かれているのだが、ホムンクルスの紅一点として活躍するラストを演じたのが、女優の松雪泰子さんだ。
ラストといえばウェーブのかかった長い黒髪や抜群のプロポーション、胸元の空いたセクシーな衣装が特徴的な女性なのだが、松雪さんは原作を読み込んでラストのキャラクター像を徹底研究し、撮影に臨んだ。
性格やセリフ回しはもちろんのこと、松雪さんはあえて体重を5kgも増量し、自身の肉感を増すことで体型までもラストに近付けている。なかでもラストの特徴である豊満な“胸”をより強調するため、松雪さんは過酷なトレーニングを敢行。上半身の肉付きを強化し、より完璧な“ラスト像”に自身を近付けていた。
本来、松雪さんといえば華奢なイメージがあるが、徹底的な役作りで挑んだその姿はまさにラストそのもの。あまりにもストイックな役作りによって、再現不可能とも考えられた二次元のプロポーションを見事に実現してみせた女優である。
肉体強化や鍛錬、日々のちょっとした習慣など、女優たちの役作りに賭ける熱量溢れるエピソードの数々には思わず度肝を抜かれてしまう。渾身の役作りによって三次元で表現されたキャラクターたちの姿はまさに必見だ。