■服部の初恋相手はやはり…?『迷宮の十字路』

 一方、服部の初恋相手は2003年公開の劇場版『名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)』で語られていた。

 服部の初恋相手は、小学校3年生のとき訪れた京都で偶然見かけた女の子だ。着物を着て手毬唄を歌う少し年上の少女に一目惚れしてしまう。本作のファンの一人としては、初恋の相手が遠山和葉ではなかったのを少し残念に感じるところだが、実はこれは取り越し苦労で、後にその少女こそが和葉であったことが分かる。幼い服部にとっては、おめかしした着物姿の和葉が少し大人びて見え、彼女だと分からなかったようだ。

 本作のラストで、服部はその少女が今横にいる和葉であったことに気づくと「(初恋の人に)やっと会えたっちゅうわけか」とうれしそうに呟く。なんだかんだで和葉に一途な服部はやはりイイ男だった。

 ちなみに本作は、服部が初のメインキャラとなった映画作品でもあり、カッコいいバイクや剣のアクションなどイケメンシーンも存分に楽しめる。服部ファンには外せない作品だ。

■新一の覚悟の言葉はシリーズ屈指の名ゼリフに!『時計じかけの摩天楼』

 1997年公開の劇場版『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』。記念すべきコナン映画1作目であるが、この作品に新一のイイ男ぶりを集約するような名シーンがあった。

 新一の誕生日、半ば強引にデートの約束をした蘭。しかしデートの場所である“米花シティビル”は犯人によって爆破され、がれきにより蘭はビル内に閉じ込められてしまう。さらに時限爆弾はもう1つあり、それを蘭ひとりで解除しなくてはならなくなった。

 この蘭のピンチに駆けつけたコナンは、閉ざされた扉越しに変声器を使い、新一として励まし続けた。「心配すんな おめえが切り終わるまでずーっとここにいてやっからよ 死ぬときは一緒だぜ」は、新一が覚悟の言葉であり、蘭を思う姿はまさにイイ男だった。

 最後に赤と青のコードのどちらか1本を切ることを迫られるが、新一との“赤い糸”を切りたくなかった蘭は青のコードを切り、無事時限爆弾の解除に成功した。新一と蘭の赤い糸が2人や多くの人の命を救った素敵なエピソードだった。

 

 今回は『名探偵コナン』に登場する工藤新一と服部平次、どちらがイイ男なのかそれぞれのイケメンエピソードを見てきたが、新一は蘭を、服部は和葉を、一途に思い続けているところが最大のイイ男ポイントだったように感じる。しかし、結果さらに悩まされることになってしまった。

 ちなみに、コミック71巻『ホームズの黙示録』にて、新一は蘭に告白し後に恋人同士になっている。一方、服部の告白は失敗続きで、恋愛においては一歩ライバルに後れを取っている状態だ。現在公開中の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』では、服部と和葉の恋の進展は見られるのだろうか。その点にも注目したい。

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