■幼い体に天才的頭脳…はたしてその正体は? 『日常』はかせ

 発明をするキャラといえば、いわゆる“博士”という肩書を持っていることも多いが、なかにはその称号がそのまま名前になってしまっているキャラクターも登場している。

 2006年から『月刊少年エース』(KADOKAWA)で連載されたあらゐけいいち氏の『日常』に登場する少女・はかせこそ、その名の通り作中でさまざまな発明を披露した人物だ。

 ぶかぶかの白衣を身に纏った8歳のはかせは、メインキャストの一人として活躍する女子高生ロボット・東雲なのを作り出した張本人。普段はなのや喋る黒猫・阪本とともに、“東雲研究所”で暮らしている。

 容姿通り言動もかなり幼いものの、その頭脳はまさに天才。なのをはじめ、数々のとんでもない発明品を生み出している。

 黒猫・阪本が喋れるようになったのも、彼女が生み出した“しゃべれる首輪”のおかげだったり、なの以外にも“ビスケット1号”、“ビスケット2号”と名付けられたロボットを作り上げてみせた。

 愛くるしい見た目と天才的な頭脳が掛け合わされたキャラクターだが、一方でその素性については謎の部分が多く、なぜ一人で暮らしているのか、そもそも本名はなんなのか……と、意外とミステリアスな要素も多い。

 ちなみに、とあるエピソードでは高校生に成長した彼女の姿を確認できるのだが、成長後もまだ「東雲はかせ」と呼ばれていることから、“はかせ”は呼称ではなく名前なのでは、という考察もあるようだ。

 発明の腕前はもちろん、思わずその背景にも思いを巡らせてしまう、なんとも面白いキャラクターである。 

 

 漫画に登場する発明家キャラたちは、思いもよらぬ発明を披露し、物語のなかで活躍を見せてくれる。ときには主人公たちのサポートを、そしてときにはそのとんでもない効果で場をかき乱したりと、作品に欠かすことのできないエッセンスを与えてくれる存在だといえるだろう。

  1. 1
  2. 2