人気アニメ『名探偵コナン』の劇場版シリーズ27作目となる最新作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が4月12日に公開され、公開初日の興行収入が9億6000万円を突破。観客動員数63万人を記録するロケットスタートとなった。
今回の映画は北海道・函館市が舞台。函館にある斧江(おのえ)財閥の収蔵庫に、新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀を狙う怪盗キッドからの予告状が届く。函館で開催される剣道大会のために現地を訪れていた江戸川コナンや西の名探偵・服部平次も集結。キービジュアルでは「ついに明かされる、“キッドの真実”」というキャッチコピーが添えられており、彼の謎の解明も見どころだ。
毎回、劇場版『コナン』では実在するさまざまな場所が物語の舞台として描かれる。今回はポスターでも夜景が描かれている函館が舞台となっており、作中に登場する五稜郭を新しい『コナン』の聖地として現地を訪れる人も多そうだ。
そこで今回は、これまでに劇場版『名探偵コナン』の舞台となってきた、ファンには思い出深いスポットを振り返りたい。
■服部平次登場作に多い関西の観光地
まずは、最新作のキーパーソンである怪盗キッドが劇場版に初登場した1999年公開の3作目『名探偵コナン 世紀末の魔術師』。灰原哀や服部平次らも劇場版初登場となった記念すべき作品だ。
同作では、物語の前半部分は大阪を舞台としている。新幹線でコナンたちが降り立った新大阪駅をはじめ、大阪城、通天閣、大阪ドーム、公開当時の読売テレビ社屋など、実在する建造物が多く登場する。また、キッドは犯行場所として通天閣を予告。夜にライトアップされた通天閣の頂上からキッドが飛び立るシーンが印象的だった。
服部平次がメインで登場する劇場版は、彼にあわせて舞台も関西方面になることが多い。ポスターにも平次が描かれている、2003年公開の7作目である『名探偵コナン 迷宮の十字路』は京都が舞台となった作品で、全体に和風の雰囲気が漂っている。
コナンらが作中で訪れる観光地として、京都タワー、清水寺、先斗町、蹴上インクライン、南禅寺、鞍馬寺、梅小路公園などが登場しており、その景色はかなり細かく描写されている。
特に、本作のキーアイテムとなる軍記物語『義経記』に出てくる鞍馬寺では、ライダースーツの人物に弓矢で狙撃され、命を狙われる場面もあった。コナンらはバイクで仁王門から鞍馬駅へと犯人を追跡し、さらには線路内でもチェイスを繰り広げる。
コナンらのようにバイクでというわけにはいかないが、作品のこのシーンは京都で実際に追体験できそうだ。
同じく2017年公開の21作目『名探偵コナン から紅の恋歌』も大阪や京都がメイン舞台となった作品で、遠山和葉が参加するかるた大会「皐月杯」の会場のモデルとなったのが京都市右京区にある嵯峨嵐山文華館(旧・小倉百人一首殿堂時雨殿)だと言われている。リニューアルで名前は変わっても、風流な施設の雰囲気はそのままだ。