■彼らがたどり着いた歴史は明かされるのか? 『ONE PIECE』オハラの考古学者たち
『ONE PIECE(集英社)』(尾田栄一郎氏)の「エニエス・ロビー編」で語られた、ニコ・ロビンの悲痛すぎる過去エピソードに登場したオハラの考古学者たち。彼らも知ってはいけない真相を知ったがゆえに散っていったキャラといえる。
ロビンの故郷・オハラは“考古学の聖地”と呼ばれる土地であり、優れた考古学者が日夜歴史を研究していた。彼らの探求心は留まるところを知らず、世界政府により禁止されている「歴史の本文(ポーネグリフ)」や「空白の100年」の研究もいとわない。“過去を知りたい……”すべては純粋な気持ちからくるものだった。
だが、世界政府はそんな好奇心すら許さない。オハラの研究を察した政府は海軍とCP9を送り込み、考古学者たちを拘束。さらには島そのものを破壊して研究成果を闇に葬る「バスターコール」をも発動させる。
考古学者たちのリーダー、クローバー博士はせめてもの抵抗として、研究で導きだした仮説「空白の100年と、ある巨大な王国の存在」を語り出すも、途中でピストルに撃たれてしまう。そのまま「バスターコール」は完遂され、考古学者たちは崩壊していくオハラと運命をともにしたのだ。
本編から22年前の出来事だが、彼らが知った真実は『ONE PIECE』の核心に違いない。いつかその真実が作中で明かされ、オハラの考古学者が報われる日はくるのだろうか。
優秀なのはもちろん悪いことではない。誰が悪いかといえば真相に気づいたキャラではなく、それを揉み消すために命を奪った悪役が間違いなく悪いのだ。
不条理によって命を落とした有能キャラは読者の記憶に残りやすく、その死を惜しまれる。「彼らが生きていればどうなっていたか」そんな“もしも”を思わせるほど、彼らの散り際は強い魅力を放っている。