■大人にもファンが多い『シルバニアファミリー』
最後はエポック社から1985年に発売された『シルバニアファミリー』だ。『シルバニアファミリー』は動物の一家をモチーフにしたフロッキー人形で、赤い屋根のおうちで人形遊びをしたという思い出がある人も多いのでは。欧米の田舎のような世界観ゆえに海外で誕生したものだと思っている人もいそうだが、れっきとした日本発のおもちゃだ。
発売当時はウサギ、ネズミ、リス、クマ、タヌキ、モグラ、キツネの9種類の動物が発売されていたが、以降限定発売されたものなども合わせると、これまでに多様な動物が販売されている。変わったところだとミーアキャットやアルパカなど、なかなか珍しい動物もいる。
人気低迷期の1990年代にはピーク時の1割程度にまで売上が落ち込んでいたが、現在は順調に売り上げを回復。2021年には今までのシルバニアファミリーにはなかった、長い毛が生えておりヘアアレンジができるという「ポニー」が登場するなど、懐かしくかわいいだけではない魅力がある。また2023年にはCGアニメとして『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』が公開されるなど、今もシルバニアの人気は根強い。
そんな『シルバニアファミリー』だが、近年では子どもにはもちろん、大人の女性を中心に人気が爆発中。シリーズの中でも、特に動物の「赤ちゃん」が人気なようで、お守りのようにお気に入りの赤ちゃんを持ち歩く人が多数いる。赤ちゃんは他の家族に比べてサイズがかなり小さくて顔も幼く、見ているだけで癒される不思議な魅力がある。
また、『シルバニアファミリー』の人形を素体として、趣味で好きなアニメ作品の衣装を自作して着せかえを楽しむ人も増えているようだ。XやインスタグラムなどのSNSには自慢の「推し」の姿になった『シルバニアファミリー』の写真を挙げている人が多くいる。
最新技術の導入やターゲット層を広げたことで、今も大人気のおもちゃたち。姿形は変わっていても、玩具売り場で見かけると嬉しい気持ちになるものだ。