『ONE PIECE』のルフィがこどもの日の5月5日生まれであったり、『進撃の巨人』のリヴァイ兵長がクリスマスの12月25日生まれだったり、かわいいヒロイン枠の女の子キャラがひな祭りの3月3日生まれだったりと、漫画やアニメのキャラの誕生日にはなんだか納得してしまうものが多い。
漫画の作者が独断で決めることのできるそれぞれのキャラの誕生日には、行事や語呂合わせなど特別な理由があるものが多く、キャラの誕生日は365日のなかでもかなり偏っているようだ。
2024年はうるう年だが、漫画のキャラクターにもうるう年生まれがいる。めったにない特別な日のためか、割合的に言うと「2月29日生まれ」のキャラは意外に少なくない。
まず、うるう年といえば思い出すのが、秋本治氏の漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に4年に一度だけ登場する日暮熟睡男(ひぐらしねるお)だろう。基本的に、彼が目覚めるのは夏季オリンピックが開催される年だけだが、誕生日も2月29日なのだ。
彼には超能力があり、予知能力や念写などの能力を駆使して大事件を未然に防ぐことができる。そのため、4年に1回という信じられない出勤日数でも警察をクビにならないというわけだ。
うるう年といえば真っ先に思い出すキャラなので、この誕生日にも納得だが、実は両津勘吉の後輩で、バイクに乗ると性格が変わる本田速人も2月29日生まれ(アニメ版では9月16日)だということは意外と知られていない事実だ。
このほかにも2月29日生まれのキャラはいる。1997年放送のテレビアニメ『少女革命ウテナ』に登場する姫宮アンシーがそうだ。謎が多く、物語のキーパーソンだった彼女が、レア感の高い2月29日生まれなのにはなぜか納得してしまう。
また、許斐剛氏によるテニス漫画『テニスの王子様』に登場する、人気キャラの不二周助も2月29日生まれ。いつも笑顔を絶やさない物腰柔らかなキャラの不二は、『テニプリ』の人気投票でもいつも上位に君臨している人物。2016年には、4年に一度、本当の誕生日を迎える不二のバースデー記念として、特別にバースデーリングが販売されていたほどだ。
また、ゲーム『薄桜鬼』の島田魁、朝霧カフカ氏・春河35氏による漫画『文豪ストレイドッグス』に登場する辻村深月も2月29日生まれ。彼らがこの誕生日なのは、実在の新選組隊士の島田魁や、作家の辻村深月氏と同じためである。
また、2月29日という誕生日にいっぷう変わった理由がついているのが尾田栄一郎氏の『ONE PIECE』に登場するパンダマン。パンダマンは本編のストーリーに絡むことのないモブキャラで、漫画作中の背景の至る所に小さく描かれている、ファンにとってはおなじみのキャラだ。
実は、このパンダマンが2月29日生まれなのには、「普段は隠れている特別な日だから」という理由がある。今年はぜひ彼も脚光を浴びてほしいものだ。
2月29日に生まれた人は、うるう年以外なら3月1日を誕生日として祝うようだ。うるう年の今年は心置きなく、本当の「推し」の誕生日が祝えそうだ。