『あひるの空』不破豹や『ブルーロック』糸師凛も… 「舌出しプレー」が印象的なスポーツ漫画のキャラの画像
弱虫ペダル 25 (少年チャンピオン・コミックス)

「バスケットボールの神様」ことマイケル・ジョーダンさんは、プレー中に舌を出していたことで有名だ。他にも陸上のカール・ルイスさん、日本でも野球の内川聖一さんなどが舌を出してプレーする瞬間を撮られており、身体を限界まで使うトップアスリートたちのおこなうこれらの行為が、何らかの効果を生んでいることは間違いないだろう。

 日本のスポーツ漫画では、選手たちがそれぞれのクセとともに「ゾーン」に入る演出が重要なシーンとして描かれており、その中にはジョーダンさんたちのように「舌を出す」選手も。

 今回はそんな「スポーツ漫画で舌を出すキャラクター」を3人紹介する。

■『あひるの空』不破豹

 最初に紹介するのは『あひるの空』の不破豹だ。主人公の車谷空たちが所属する九頭龍高校のライバル、横浜大栄高校のプレーヤーである。

 不破は小学5年生まではアメリカに住んでいた帰国子女だ。その影響があるのか髪をオレンジ色に染めており、バッシュもエアベイキン(作中ではエアベーキン)という派手なセンスをしている。バスケットボールのセンスは本物で、トビ(九頭龍高校のエース)との1対1で勝利し相手を驚かせた。

 見た目もバスケットボールのプレーも華々しい選手だが、舌を出してプレーするのも印象的だ。その理由は体を限界まで使うためであり、決して相手を馬鹿にしているわけではない。舌を出すバスケットボール選手といえばマイケル・ジョーダンさんだが、不破のプレー自体は大きく違うので直接のモデルというわけではなく、舌を出すところだけを参考にしたのではないかと考えられる。

 余談になるが、では誰がモデルなのかと考えてみる。不破には中学1年生の時に1試合で80点取ったというエピソードがあり、ここからはNBAで1試合81点取ったコービー・ブライアントさんが連想される。だがやはりプレーは似ていないし、練習嫌いとして描かれる不破と練習の虫だったコービーを並べることに違和感が強い。見た目で言うとデニス・ロッドマンさんを彷彿とさせる。派手に染めた髪、エアベイキンもロッドマンさんが履く予定だったモデルだ。しかしこちらも大きくプレースタイルが違う。

 ではプレーが誰に似ているかとなると、アンクルブレイク(ドリブルで相手を転ばせる)のスキルなどはアレン・アイバーソンさんに似ている。だがライバルのトビは見た目もプレーもアイバーソンさんに似ているし、同一作品で2キャラクターが同じプレーヤーをモデルにしているとは考えにくい。ということで不破にかんしては特定のモデルはおらず、エピソードやプレーをオマージュしているキャラクターだろうと考えられる。

■『弱虫ペダル』御堂筋翔

 続いては『弱虫ペダル』の御堂筋翔だ。本作品のライバル校、京都伏見高校のエースであり、ラスボスのような存在でもある。本作を一切読んだことのない人でも、一度見たら忘れられないそのビジュアルには見覚えがあるかもしれない。爬虫類のような目に尖ったアゴ、そして長い舌……。

 先ほどの不破は体を限界まで使うという目的で舌を出していたが、御堂筋はどうかと言うと特に説明はない。だが作中の描写からなんとなく推測することはできる。

 御堂筋は勝利のためには手段を選ばないヒールキャラだ。努力や仲間意識のようなものは「キモッ」と吐き捨て、味方を自分の駒のように扱い、敵を騙してでも勝利しようとする。

 ただそれには最愛の母の死が関わっていた。愛車のDE ROSAは、母が褒めてくれたという理由で小学生の頃から乗り続けているものである。彼は母を失った悲しみを打ち消すように、異様なほどに勝利に執着し続けている。

 そんな彼が舌を出すのは勝利のために、見た目からインパクトを与えるためだとも考えられないだろうか?舌を出すのにも色々な理由があるものである。……変わっている子なだけな気もするが。

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